三年目のデジタル戦略局 後編
今日は、3年目のデジタル戦略局の後編について、お話しします。
今まで取り組んできた「ふじのくにのデジタル化事業」(実証事業)の中から、実装に発展した事業を紹介します。また、令和5年度に取り組む実証事業の概要を紹介します。
「ふじのくにのデジタル化事業」(実証事業)がスタートした令和3年度は、各部局から6件の事業が採用され実施しましたが、初年度ということもあり、実際の事業の開始が8月となり、実施期間も短くなってしまい、2件の事業のみが次年度に実装、残り4事業が次年度も実証を継続することとなりました。
続く、令和4年度は、継続事業を含め9件の事業を実施しました。この年は、事業選定を3月までに終え、年度の初めから事業をスタートできるようにしましたので、6件の事業が次年度に実装されることとなりました。
その結果、令和3年度及び4年度に実証から実装に発展した事業は、下の表の8事業となりました。
このほかにも、前々回紹介した「浄水場の薬剤注入率の自動化」などは、ほぼ実証の段階は終えており、飲料水として使用するための最終段階の過程を踏む作業を行っているところです。
実装に発展した8事業ですが、上の表の1番と2番と8番は、既にプラットフォームやアプリがオンライン上に展開されていますので、ご覧いただけたり、利用できたりします。
また、3番は、県庁内に設置されたディスプレイで体験いただけます。
そして、ここでは、5番の「透明ディスプレイを用いた多言語音声翻訳」と7番の「水道管路台帳の3次元化検討」について、紹介したいと思います。
まず、「透明ディスプレイを用いた多言語音声翻訳」です。
外国の方でも日本の役所や様々な場所で意思疎通ができるコミュニケーションツールです。
翻訳できる外国語は176か国語で、そのうち双方向の翻訳が可能なのが138か国語となっています。
また、耳が聞こえない方にとっても相手の言葉が見えることから、外国語の翻訳以外にも利用の可能性があると思っています。
ソフト入りタブレット端末とディスプレイ合わせて、30数万円程度で用意できるようです。
この翻訳システムを色々な方に使っていただきたいと思い、デジタル戦略局では、局で数台購入し、貸出したいと思っています。使っていただきながら、良かった点や改良してほしい点など意見をいただき、より良いものにしていきたいと考えています。
次に、「水道管路台帳の3次元化検討」です。
水道管路の埋設位置は、台帳に記載されていますが、3次元点群データを使って台帳化すれば、地下埋設管の状況が可視化でき、水道管のほかに民間事業者のガス管や電気等の管路が埋設されている場合でも、3次元の仮想空間に管路を再現することができるため、工事の際に掘り返す場合に、他の管を傷つけることなく実施できるようになります。
更に、周辺の地図データと埋設管路の3D組み合わせ化のデータを連動することによって、より具体的に状況を可視化することができます(イメージ動画を再生できます)。
また、令和5年度の実証事業に向けて、新たに9本のアイデアがまとまりました。
今年度の特徴は、新技術の活用です。メタバースやAIの活用事例が出てきました。事業を実施する各部局も、積極的に新しい分野への挑戦をするなど、前向きな提案が多くなってきました。
今年度のアイデアは以下のとおりです。
特に、個人的には、★印の「モーションキャプチャーを活用した文化財の継承」は、伝統芸能の継承という難しい課題をデジタルの力で解決していくということに通じており、たいへん興味があり、実証事業に取り組んで、良い結果が出ることに期待をしています。
デジタル戦略局では、これからも、各部局が行う実証事業への伴走支援を強化することで、事業の成果をしっかり出すことができ、実装に早く移行できるようにして、県民の暮らしがより便利に、より良いものになるよう努めてまいります。
後編 終わり
民間事業者の皆様も、興味がある事業などありましたら、デジタル戦略局までお声掛けください。
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