ふじのくにのデジタル化推進事業3
今回は、ふじのくにのデジタル化推進事業の3回目です。
前回までは、進められてきた6本の実証事業のうち、6.図書館のデジタル化、1.県庁入口のデジタル化、2.産業創造コミニュニティプラットフォームの創設、3.漁船操業情報を利用した海底地形図作成を取り上げました。
今回は、残り2つの4.交通結節点における交通情報等の発信と5.浄水場の残留塩素濃度に与える外的要因調査についてです。
4.については、交通結節点となる、熱海・三島・伊豆高原の3駅に、AIチャットボットを組み込んだタッチパネル型の端末を設置し、公共交通の利用や観光地のPR等の地域振興に寄与する情報を発信するための実証実験を昨年10月から2月末までの約5か月間実施しました。
実験では、利用者が端末に話しかける(例:○○へ行きたい)ことによって、AIが自動接客(自動回答)できることを確認しました。詳細な情報を知りたい場合は、端末から離れた場所にいる観光協会の職員にテレビ電話をつなぐことで聞くこともできました。また、利用者に旅に求めることを聞くことで、おすすめの観光プランの提供を行いました。
今年度の成果は、3駅合計で約2千人の利用がありましたが、AIの自動接客は約半数が破綻し、満足な接客ができませんでした。一方で、成立した会話では、おおむね3分の2程度の方が、利用して良かったと答えていました。
また、今回の実験は、新型コロナウィルスの影響で開始が遅れ、観光のピーク時期となる夏季のデータが取得できませんでした。
令和4年度は、AIチャットボットの回答精度をもっと高めた上で、実証実験を継続し、自動応答を確実なものとすることで、業務効率化につなげ、無人化した駅での接客を可能とし、来訪客のサービスの向上を図っていきます。
また、夏場のデータも取得するなど、更にデータを蓄積していくことで、利用者の属性や検索項目など、得られたデータを分析するとともに、スポーツ・文化観光部が運用している「観光デジタル情報プラットフォーム」の連携を強化し、新たな観光商品の造成につなげていきたいと考えています。
5.については、磐田市にある企業局西部事務所寺谷浄水場において、水質管理薬剤注入率の決定の自動化に向けた実証を行いました。
浄水場の現場では、今まで、薬剤の注入率を技術者の経験によって決めていましたが、技術者の減少もあり、このままでは安定した水質管理が難しくなります。持続可能で安全且つおいしい水道水の提供のために、毎日のデータを蓄積することで、AIにより薬剤注入率の決定を自動化し、技術者の経験によらなくても水質を管理できるようにしていく取組です。
実証実験では、気象計及びデータ収集装置を設置し、水の濁り、水温、気温、日光照射量等を毎日収集し、収集データを機械学習により解析することで、水質に与える影響が大きい要因を抽出し、それに基づき、水質管理薬剤の注入率を決定しようとするものでした。
実証実験は、昨年の11月からのスタートとなったため、有用なデータは蓄積されておりますが、夏場のデータがないことから、令和4年度においても、更なるデータ収集を行い、一年間通じたデータに基づき解析していくこととなります。
一年間以上のデータを得て、解析・実験が終われば、薬剤注入率の決定を自動化し、県が管理する全ての浄水場に横展開していく予定です。
3回に分けてお話しした「ふじのくにのデジタル化事業」については、令和4年度も継続して実施していきます。令和3年度からの継続分に加え、新規事業も現在、選定作業に入っています。
また、令和4年度に行う事業は、年度当初からロケットスタートすることで、年度後半には実績を出し、その先の実装につなげていきたいと思っています。
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