ハッカソンを開催しました。
10月30日、31日と2日間にわたり、ハッカソンを静岡市内で開催しました。
当日は、14名の参加者が3チームに分かれ、先月行われたアイデアソンで出されたアイデアを元に、課題解決につながるアプリを限られた時間で構築するというコンテストが行われました。
私は審査員という立場で参加しました。
審査するほどの技術、見識を持っているとは思っていませんが、システムの目的は何か、ターゲットは誰か、できたものが役に立ちそうかなどに関しては、エンジニアでなくても、何とかなるかなと思い、審査の方を務めさせてもらいました。
私の他、お二方に審査員をお願いしました。
コード・フォー・カナザワ代表の福島健一郎さんと、静岡情報産業協会事務局長の桜井俊秀さんです。特に福島さんは、内閣官房オープンデータ伝道師であると共に、総務省地域情報化アドバイザーとして全国を見てきている方で、福島さんが来るなら参加したいという方もいたぐらいの人物です。
さて、2日目の31日も午後となり、残すは、システムの仕上げと各チームの発表の時間だけとなりました。各チームとも発表資料の仕上げや発表者を誰にするのかなど大詰めの状態です。
チームごとのテーマは、以下の通り。
- Aチーム:観光地の防災を観光客がゲームで体験(津波から逃げろ!)
- Bチーム:イベントにおけるキッチンカー出店に係るフォームの制作
- Cチーム:急ブレーキ感知加速度測定器を付けた自転車で自転車事故をなくせ
厳正なる審査の結果、
最優秀賞(県知事賞)は“Cチーム”
優秀賞は“Bチーム”
となりました。
コード・フォー・カナザワ代表の福島さん曰く、「審査員が複数いる場合、結構意見が割れることがあるんです。割れると大変なんですけどね。」とのことでしたが、今回は、3人とも、全て順位も同じで、審査は非常にすんなりといきました。
各チームとも着眼点等は個性的で、差がつくと言うよりも色々なものが出てきて良かったですが、ハッカソンと言うことで、実装としてどこまでできているかが、優劣の分かれ目となりました。
各チームの取り組んだ概要と各チームへの私の感想です。
Aチーム
Aチームは、観光地へ行く事前の情報収集の段階で、その地域のことを学んでから行くというコンセプトでした。ゲームも神と人間に別れ、自然災害を起こし人間を滅ぼそうとする神と、そこから逃げる人間という構図のゲームです。
用いたオープンデータは、3次元点群データと津波ハザードマップデータです。地震が起きて、下田市に津波が来たときの浸水区域から、逃げられたら人間の勝ちというゲームで、発想は興味をそそられるものだったのですが、残念だったのは、ゲームの実装がほんのさわり部分だけだったことと、観光客がこのゲームを見てここに観光に来るかという疑問でした。
ターゲットが観光客ではなく、地元の小学生の方がよっぽど地域防災に役に立つかなとも思いました。地元の子どもたちだと、下田二丁目だったら、どこへ逃げたら最短だとか細かくゲームで習得できるかなと思いました。
Bチーム
Bチームは、イベントでキッチンカーを出店する際のスマホでの応募フォーム「おみせポータル」を実際につくって頂きました。
見た目もすぐに使えるようなものに仕上がっていました。本人アカウントをどうするのかなどの質問が出ましたが、とりあえず形にしたものができました。
行政サイドから見れば、出店者の管理もすぐできそうなので、イベントを盛り上げる手段として即使えるものになっていたと思います。
一方で出店者側から見れば、手続きも簡単で応募しやすくなるけど、今回の製作者からは、「各市町のイベント一覧のデータが様式も内容もバラバラで使いづらい。駐車場の情報がない。来場者人数や年代層などがデータで蓄積されるようになれば、応募フォームにもイベント情報が細かく載り、出店者側もここに出店すれば儲かりそうと言うことも分かるようになる」との意見も出ました。
Cチーム
Cチームは、実際の自転車に加速度測定器(2000円相当)を装着し、急ブレーキをした際に感知し、その場所をGPSを使って特定するというもので、そのデータと警察本部が持つ事故の箇所のデータを地図上にプロットし、危険箇所のデータを蓄積するものでした。
蓄積されたデータによって、警察本部や教育委員会などでは、自転車事故の減少を図るものとすると言うことであり、加速度測定器の使用やGPSによる位置の特定、事故の箇所のデータの使用等、次の実証実験をやれるところまで来ているものでした。
課題としては、データがいくら蓄積されても学生等の自転車事故は中々減らないので、自転車の運転者に直接アラーム等で知らせるようなことが必要ではないかと言う意見も出て、私もそのようなものを開発してもらいたいと思いました。
全体講評にて
審査員の講評では、福島さんから、「全国の様々なハッカソンに、出場者として、また審査員として、参加させてもらっているが、今回のハッカソンはその中でもレベルは高い方でした。」との評価を頂きました。ハッカソンと言いながら、アイデアソンで終わってしまうことも多々あるようで、限られた時間の中でアプリ開発や実装に至っているところは非常に評価できるとのことでした。
主催者としては、非常にありがたいお言葉でした。
また、「これで終わりではなく、できれば実証実験等もやって、本当の意味での実装までいければ、エンジニア側のモチベーションも相当上がるでしょう」との言葉も頂き、継続して、アイデアソン、ハッカソンは実施していかなくてはと思うと共に、実装に向けての事業も継続してできる仕組みを考えたいと思いました。
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