オープンデータハッカソン2022が行われました
今回は、8月27・28日の2日間にわたって浜松市のクリエート浜松で行われた「オープンデータハッカソン」の模様をお伝えします。
去る7月30日に静岡市内で行われた「オープンデータアイデアソン」で、地域課題を解決するための様々なアイデアが生み出されました。今回の「ハッカソン」は、それらのアイデアを実現するアプリ等の開発を競うもので、私は、審査員として参加しました。
1日目には課題決めやアプリ開発に向けた打ち合わせ、そこから2日目にかけて実際の開発が行われましたが、あえてその場には立ち会いませんでした。
開発の過程を見てしまうと、変に私情が揺れ動く可能性があるので、最後のプレゼンテーションのみを通じて、完成したアプリとそのコンセプト等のプレゼンのみを審査した方が公平性が保たれると考えたからです。開発の過程も加味して評価する方法もあったかもしれませんが、昨年と同様に、このような方法で審査しました。
当日は、学生10名(静岡大学、常葉大学、静岡理工科大学、静岡産業技術専門学校)、一般企業関係者8名(SBS情報システム、田丸屋本店、東洋経済新報社ほか)の18名の参加がありました。
まずは「移住・定住」、「過疎地域」、「食文化」をテーマに議論した「アイデアソン」の結果をまとめたワークシートに基づいて、参加者同士が興味あるシートについて討議し、各参加者が取り組む課題を決めていきました。
パーティー結成
今回は、4つのパーティーに分かれ、それぞれで課題を解決するアプリ等ソフトウェアの開発とプレゼンを行いました。
パーティー名と作品名、概要は下の表の通りです。
1 パーティー名:紙一重
作品名:fine line
ウェブサイトにて情報提示
(テレワークやオンライン会議・講義ができる防音環境)
- 空き家、もしくは空きスペースをワーキングスペースとして提供できる形に改良
- 元々空いているところの紹介
2 パーティー名:プラグマティストNeo
作品名:あいでぃ家
空き家の再利用アイディアと運営者を募集してクラウドファンディングで資金調達を促すWebアプリ
- 地域で放置されている空き家を再生するアイデアをサイト上で募集
- そのアイデア群に対して、運営者とマネージャを募集
- クラウドファンディング方式で空き家再生
3 パーティー名:クラリノベ
作品名:クラリノベ
企業からクラウドファンディングで支援を募り、仲間と過ごすシェアスペースを提供するアプリ
- 空き家の所有者が不動産会社に報告・登録
- 地域の建築学生が空き家の建築デザインを設計、改装
- 不動産屋がサイトに掲載、クラファンで資金調達
- クラファンで支援した企業にリターン特典を送る
4 パーティ名:vegeref(ベジリフ)
作品名:vegeref match
人員補充したい農家と農業体験(リフレッシュ)させたい企業のマッチングアプリ
農業従事者は困っている状況や育てている作物などの情報を登録し、企業側はどういった体験をしたいかや、特定の作物に興味がある従業員の情報を登録
結果発表
2日目のクライマックスは、プレゼンと審査結果発表です。
今回の審査委員は、Code for MIKAWAの木村博司氏、しずおかオープンデータ推進協議会の杉本等氏と私、山口が務めました。また、協賛賞について、スマートシティ・インスティテュートの河村昌秀氏、浜松いわた信用金庫の上野直人氏に審査をお願いしました。
審査の結果は以下の通りです。
結果 |
(パーティ名) |
---|---|
最優秀(知事)賞 |
プラグマティストNeo |
特別(オーディエンス)賞 |
プラグマティストNeo |
スマートシティ・インスティテュート賞 |
クラリノベ |
浜松いわた信用金庫賞 |
紙一重 |
最優秀(知事)賞は、審査員3名の意見も一致し、パーティ「プラグマティストNeo」に決まりました。アプリ実装の点では、実際にアプリを試作したパーティ「紙一重」を推す声もありましたが、内容の充実度、ストーリー性の高さの点で若干上回った「プラグマティストNeo」にということでまとまりました。
表彰と講評の時にもお伝えましたが、県主催の「ハッカソン」は昨年に引き続き2回目となり、全体のレベルは上がっていると思います。
「移住・定住」、「過疎地域」、「食文化」という特徴や、“ノーコード・ローコード”による開発を誘導したことから、アプリ開発の中身としては、地味だったかもしれません。
しかし、皆さん多くのデータを元に、またオープンデータを使いながら、実質1日半という短い期間で、仕上げてくれました。
ただ、欲を言えば、単なる課題解決のためのアプリ開発に止まらず、アプリに蓄積されるデータの活用にも目を向けて頂ければ、なお良かったかなと思いました。そうすれば、県で実施している「ふじのくにのデジタル化事業」などで実証実験ができるところまで行く可能性もあったかもしれません。
参加者の皆様、まる2日間お疲れ様でした。
最後に、「ハッカソン」の進行を書き留めてくれた“グラレコ”を紹介して終わります。
グラレコは、“グラフィックレコーディング”の略で、進行の速記という役割もありますが、イベントを盛り上げる効果がものすごくあるものだと感じましたし、短時間でストーリーを理解しながら、各パーティーの特徴を捉え描き上げていく様は、これは芸術の世界だと感じました。
描き上げてくれた濱西冴月さん、山中香佳里さん、ありがとうございました。
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