県民に届く広報を 前編
今回は、「県民に届く広報を」について、お話ししたいと思います。
- 県の情報は、その情報を本当に欲している県民に届いているのか?
- 届いているのなら、どの年代層にどの程度届いているのか?
- どの程度届いているかという情報を活用し、次の展開に結びつけられているのか?
これらの疑問は、以前から言われてきたことでありますが、それらへの回答については、今まで明確にはできていませんでした。
どの程度届いているかについては、アンケート調査をやる以外に定量的な答えを出せなかったからです。
でも、今は違います。
例えば、県のホームページ上でアクセス状況を分析し、県民個々の知りたい情報を推測・表示できる仕組みを用い最適化を行うことで、県庁から発信する様々な情報を、より適切に県民一人一人へ届けることができるようになるのです。
奈良市での実証実験
実際に、奈良市では、これらを推進するための実証実験を行いました。
奈良市では、株式会社プレイドと共同で、市のホームページを訪れる市民一人一人が求めている情報を、CXプラットフォーム「KARTE(カルテ)」を活用し分析しながら、市ホームページにおけるプッシュ型の情報提供・情報発信の有効性を検証しました。
実証実験の内容
- 市民一人一人がホームページ上のどのようなページを閲覧されているのか。
- ホームページ上でご自身が確認したい情報にたどり着くまで、どのくらい迷われているのか。
これらをCXプラットフォーム「KARTE」を使って分析する。
市民のホームページ上でのお困り度合いを分析し、仮説を構築。その市民が希望する情報をより適切にお届けする仕組みの構築を進める。
この実証実験において市民の個人情報(氏名等)を使用することはありません。
CXプラットフォーム「KARTE」では、ホームページ上のページを閲覧した個人の氏名等を特定することなく、その方の行動情報をリアルタイムで解析できる仕様となっており、個人情報を取り扱わない形で検証できる点が特徴です。
静岡県でも、このように、届けたい情報が届けたい人にしっかり届く仕組みを構築していきたいと思っています。
静岡県のこれからの取組について
現在の静岡県のホームページは、トップページがごちゃごちゃして分かりにくく、自分が求める情報にたどり着けない雰囲気が画面からも感じられます。
まずは、ホームページの抜本的改善を行う必要があります。
県の広聴広報課では、令和4年度に県ホームページの改善を行います。
ホームページの改善で一番大事なのは、利用者目線だと私は思います。情報発信者である県担当者にとって使いやすいホームページという視点から、利用者である県民にとって使いやすいホームページへと視点を切り替えて改善を行うべきです。
これらのことは、県民をはじめ、有識者や県議会議員の皆様からも再三御指摘を受けていますが、私なりに考える、改善に必要なことを挙げます。
- トップページの構成(デザイン)はシンプルに
- 直感的に使いやすさを感じるデザイン
- 色使いの統一感、優しさがあった方がいい
- 担当部署が分からないことが前提の検索方法(課名等組織名からの検索は×、目的からの検索は○など)
- 音声誘導や多言語対応も
「県民に届く広報」を進めていく上で、ホームページの見た目の改善や検索しやすさの向上に加え、最初に挙げた、個人が知りたい情報を瞬時に推測できる機能が加われば、利用者がより使いやすく、欲しい情報がすぐに手に入るようになるのではないでしょうか。
また、アクセスする回数が増えれば増えるほど、一人一人に最適な情報をお届けできるようになることから、これまでの、画一的・一方的に情報を出していれば、県民に情報が届くと考える時代は終わり、これからは、個人情報の保護に十分留意した上で、デジタルをフルに活用して、一人一人に最適な情報を発信していく時代が当たり前となっていくでしょう。
後編では、「県民に届く広報」を県の組織の中でどうやって統一的に推進していくべきかについてお話ししたいと思います。
このページに関するお問い合わせ
知事直轄組織デジタル戦略局デジタル戦略課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3679
ファクス番号:054-251-4091
digital@pref.shizuoka.lg.jp