ポケモンGOとデータ分析vol.5 分析(行動パターン)
前回まで:ARフォトコンテストにおけるSNSによる情報発信の分析
今回のARフォトコンテストは、言ってみれば、コンテストをやって表彰することが目的ではなく、コンテストで集まったデータの蓄積こそが目的であったと言ってもいいのではないか。
ツイッターとインスタのデータは、これからの伊豆半島の観光へのヒントがたくさん詰まった宝の山である。吉永主任は、イベントを実施するときから、このことは意識していたのだ。
今回のイベントでの投稿データは、本人の属性や住所、投稿した場所等の様々なデータが含まれている。
データを集計した結果、投稿作品は延べ2,189作品で実際の投稿者は213人であった。一人平均10作品を投稿したことになる。213人のうち、伊豆半島13市町及びジオパークが存在する清水町や長泉町を加えた全15市町で投稿した方が1人いた他、複数の市町で投稿した方が71人いて、約三分の一が複数市町を周遊したことが分かった。(表1)
表1 投稿者の市町間周遊状況
4市町で投稿した10人では、「沼津市」と「三島市」を含む組み合わせが5パターン存在し、次いで「三島市」と「伊豆市」を含む組み合わせが4パターン存在した。(表2)。さらに、「伊豆市」を含む組み合わせは7パターン存在していることから、伊豆半島の玄関口である「沼津市」や「三島市」と核となった「伊豆市」との組み合わせの相性が良いことがわかった。
表2 4市町周遊した人の市町内訳
また、伊豆半島の南部の賀茂地域のみの投稿者は0人であったが、東部地域と賀茂地域を両方訪れた投稿者は5人いたことから、賀茂地域への誘客促進にあっては、東部地域の市町間との連携が欠かせないことがわかった。
さらに、投稿者の賀茂地域の訪問地に偏りはなく、東部地域からのアクセスに関して賀茂地域の1市5町間の優位性は見られなかったことから、次回フォトコンテストを開催する機会がある場合には、伊豆の玄関口の東部地域と伊豆半島の賀茂地域を自由に組み合わせたコースを提案し、賞を設けることで、より多くの人に伊豆半島の周遊を誘導することが可能となるのではないか。
※文章の一部や表は、吉永主任がとりまとめた「伊豆半島ポケモンプロジェクトの取組結果と分析」の、フォトコンテストの分析から引用しています。
『第2回ポケモンGO ARフォトコンテスト』が、今年の秋に実施されることを切に期待をするが、新型コロナウイルス感染症との戦いがしばらく続くと想定される中、伊豆半島にとって、ウィズコロナ・アフターコロナに向けた地域振興・観光振興の取組を推進していくことは非常に重要である。フォトコンテストの実施に当たっては、第1回のデータから得られた分析を活用して、よりよい企画にブラッシュアップしていただきたいと考えている。
伊豆半島活性化プロジェクトは、ポケモンGOを仕事にして様々な挑戦をしたが、周りからは、「遊んでいるんじゃないの?」とか思われていたと思う。が、仕事に遊び心があっていいと思うし、実際に楽しく仕事ができて、様々な人から応援の声をいただいた。少しでも地域の活性化に役に立ったことも良かった。
データ活用の観点から言えば、ツイッターやインスタの活用は、単なる情報発信だけでなく、データ収集に本来の目的があったと言える。イベント自体の元々の目的(投稿者数や経済波及効果)に加えて、そこで得られたデータから次の課題や方向性が見えて、それを次に活かす。それを繰り返して更にいいものに仕上げていく体験ができたことは、私達にとって大きな収穫であった。
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