実践NOTE559 「誰一人取り残さない授業づくり ~現在、そして未来のWell Beingの実現を目指して~」

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ページID1069383  更新日 2025年2月28日

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実践NOTE559 「誰一人取り残さない授業づくり ~現在、そして未来のWell Beingの実現を目指して~」

下田市立下田中学校 教諭 土屋 純人

はじめに

 本校では、「共につくる」をキーワードとして、授業を核とした教育活動を展開しています。「誰一人取り残さない授業づくり」について教師だけが考えるのではなく、全校集会で生徒にも投げかけ、各学級で話し合う場を設定して意見を求めました。また、令和5年度に設置されたコミュニティ・スクールを通して、地域の方々も生徒たちのよりよい学びの実現に向けて参画してくれています。「誰一人取り残さない授業づくり」を探究することが、「誰一人取り残さない学級づくり、学校づくり」につながると考え、生徒一人一人の現在、そして未来のWell Beingの実現に向けて研究に取り組んできました。

生徒と共につくる授業

授業の様子
筆者授業風景の1コマ

 どの子も学びに向かい、「わかった」「できた」を実感できることは、授業におけるWell Beingの一つと考えます。このような授業を実現するにはどうすればよいかを考えたところ、生徒が「なぜ」「どうして」という問いや、「やってみたい」「できるようになりたい」という思いを持ち、主体的に学びに向かうことが大切だと考えました。そこで、学習課題を設定する際、「単元や本時の目標、ねらいなどを達成することにつながるものであること」「生徒の問いや思いを引き出すこと」を意識しています。生徒の「問い」や「思い」を学習課題として設定したことで、対話や追究が自然と生まれるようになりました。

人生と社会を豊かにするキャリア教育

キャリア座談会の様子
生き方を考えるキャリア座談会

 キャリア教育を「生き方の探究」と捉え、今年度は職業体験や職業講話だけでなく、生徒が自分自身の生き方について車座になって講師の方に相談する、キャリア座談会を行いました。また、生徒が幅広い視点で自分の生き方について考えることができるよう、希望する職種の方とオンラインでつなぎ、市外に住む様々な方から話を伺う場も設定しました。このような授業を通して、生徒一人一人が、「どのような大人になりたいか」「どのような人生を歩んでいきたいか」というビジョンをもち、現在、そして、未来のWell Beingにつながるようなキャリア形成をしていけるよう、地域の方々と共に支えています。

「観」を磨き合う校内研修

校内研修の様子
校内研修で学び合う様子

 本校の研修では、「生徒の姿から学ぶこと」を大切にしています。公開授業後の研究協議では、着目生徒の表れから授業づくりについて学びました。また、気になる生徒の表れを記録した「エピソード記録」をもとに話し合い、生徒理解を深めました。この他に、テーマを中央に書いた用紙に、一人一人が意見を書いて回覧する「回覧板研修」にも取り組み、誰一人取り残さない授業づくりに向けて、お互いの「観」を磨き合いました。

※ここでいう「観」とは、教育観、授業観、子供観等、職員一人一人が持つ見方や考え方を意味します。

おわりに

 「誰一人取り残さない授業づくり」を探究する中で、一時間の授業の中の「わかった」「できた」だけを考えるのではなく、「現在の取り組みが、その子の未来にどうつながっていくか」という視点で考えることの大切さを実感しました。教育活動全体を通して、生徒一人一人が自分や社会のWell Beingを実現していけるような力を育んでいけるよう、今後も授業づくりを中核に据え、生徒や教職員、保護者や地域の方々と「共につくる」をキーワードとして学校づくりを進めていきたいと思います。

このページに関するお問い合わせ

教育委員会教育政策課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3168
ファクス番号:054-221-3561
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