実践NOTE538 「新たな共生・共育の可能性 ~高校生同士の言葉と空気感で~」
新たな共生・共育の可能性 ~高校生同士の言葉と空気感で~
静岡県立富士特別支援学校富士東分校 部主事 岩附 敦史
垣根のない、同じ『富士東』で紡がれる絆
本校は令和5年4月に富士東高校内に併設された特別支援学校の高等部分校です。両校は、県下で初めて同じ廊下で隣り合う形で教室が配置されました。校種の違いはありますが、両校の生徒は、同じ校舎で学び、生活を共にする『富士東』の仲間です。
高校生同士の言葉と空気感で
両校生徒の出会いは4月の対面式です。そこで富士東高生の代表から、「私たちと高校生同士の言葉で、高校生同士の空気感で学校創りを進めていきませんか。」というメッセージが送られました。この言葉が胸に深く響き、今も両者の心に浸透しています。
緊張のステージ…そして感動と感謝へ!
両校の生徒は、行事や授業、部活動等の交流だけでなく、ランチやラジオ放送(昼の校内放送)といった生徒企画の交流も行っています。特に印象深く、心に刻まれているのが6月の文化祭ステージです。全校生徒が見守る中で分校生がダンスを披露しました。本番直前、分校生は不安と緊張で胸が張り裂けそうでした。「富士東高生から、いったいどんな視線が私たちに向けられるのか…」と。しかし、ダンスが始まると、驚くことにステージ下の富士東高生が一斉にダンスに参加し、ステージを盛り上げてくれました。この一体感に分校生は感動し、感謝の絆を強く感じました。
心からの感謝を込めて、未来へエールを!
「富士東高の3年生に感謝の気持ちを届けたい。」という分校生の思いから、卒業式で付ける220個のコサージュ製作が始まりました。それを知った高校側の生徒たちも可能なメンバーで製作に参加しました。両校生徒が協働で心を込めて製作したコサージュは、未来へと踏み出す門出をより特別なものにしました。
4月からは、新しい1年生を迎えて2年目の学校運営がスタートします。物理的にも、心の面でも垣根のない『富士東』だからこそ出せる『自然な空気感』を大事にした共生・共育を、今後も両校の生徒と教職員で創っていきます。
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