実践NOTE555 「児童生徒の学びを支えるICT活用を考える」
児童生徒の学びを支えるICT活用を考える
静岡県立吉田特別支援学校 教諭 深津 臣
はじめに
本校は、令和4,5年度に県の研究指定校として、『子どもの「やりたい」「できた」を引き出すための ICTを活用した授業づくり』をテーマに研究を行いました。2年間の研究では、知的障害のある児童生徒にとっても、ICTの活用は学習意欲の向上につながり、自分の意見や思いを伝える手段となり、自分を振り返ることにも効果的だと分かりました。
令和6年度は、「BYODを意識した、個に応じたICT活用の推進」を学校経営計画の重点目標に位置づけ、さらなるICTの推進を図っています。
2年間の研究のまとめについては、下記の添付ファイルもしくは二次元バーコードからご覧ください。
総合的な探究の時間をとおして成長した生徒たち
高等部1年生は、SDGsをテーマにし、自分たちにできることを発表し合いました。本グループでは、Chromebookを使い、学んだことをスライドで共同編集しました。
生徒同士で担当するページを決め、教え合いながら作り上げる姿を期待しての取組です。書くことが苦手な生徒もキーボード入力となれば考えを表現することも容易でした。また、ひとつのスライドにまとめていくことで作業工程を共有できるため、その場で意見交換ができます。伝えたいことが精選されるため、自信をもって発表することができました。
ICTを学習の手段として活用することは、とりわけコミュニケーション手段の幅を広げることにつながり、持てる力を今以上に発揮できると感じています。生徒たちはこれからもっと伸びると強く感じました。
端末の活用と合わせて学ぶべきこと
高等部では、一部の生徒に月1~2回、情報モラルを中心とした情報活用能力の育成を目的とした授業を行っています。
パスワードの扱い方やSNSなどについて友達と意見交換しながら、インターネットの便利さと危険性を学びました。特にSNSでは、文章や絵文字、写真など何気ない使い方が、相手に嫌な思いをさせることがあると学びました。知識だけでなく、想像力や批判的な見方など端末を活用する上での土台となる学習も必要だと思います。
おわりに
本校では、生徒にとって一番身近な端末となるスマートフォンを授業に取り入れ始めました。生活の必需品となっているスマートフォンですが、生徒たちに使い方を聞くと、SNSや動画の視聴等限定的でした。生徒たちが卒業後、安全で豊かな生活を送るために使い易い端末となることを第一に考え、これからも授業づくりを行っていきたいと思います。
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