実践NOTE543 「美術を専門的に学ぼうとする態度を形成する「美術概論」-作品交流を通した創造性を考える授業実践-」
美術を専門的に学ぼうとする態度を形成する「美術概論」-作品交流を通した創造性を考える授業実践-
静岡県立清水南高等学校 教諭 竹川 友美子
美術を専門的に学ぶ生徒は、美術概論、美術史、鑑賞研究、素描、構成の5科目を原則、履修しなければなりません。その中で、基盤となるのが「美術概論」です。将来、芸術家、デザイナーなど美術分野のプロフェッショナルを目指す生徒たちの核となる重要な科目です。
今回は、美術概論で実施した「自己や他者の作品に表れている創造性を考える授業実践」として、清水特別支援学校との芸術交流活動を紹介します。
清水特別支援学校との芸術交流
清水特別支援学校と本校芸術科は数年にわたり芸術を通した交流活動を続けています。本校の音楽専攻生が、清水特別支援学校で演奏したり、美術専攻生の作品を校内に展示していただいたりしてきました。
創造することの価値と、多様な作品に表れている創造性を尊重する態度の形成
令和5年度は、互いの作品を交換し、作品交流展を両校で実施することができました。清水特別支援学校の児童・生徒の作品は、版画、イラスト、木工作品など多岐にわたり、技法も多様です。普段、美術館で有名アーティストの作品や大学受験のために制作された作品などを目にすることが多かった美術専攻生にとって、初めての体験です。
交流展の前に、「作品自体に価値があるのか?有名な作者が描いたことに価値があるのか?」ということについて生徒と共通理解を図り、展示、鑑賞で完了するのではなく、次のように進めることとしました。
(1)他者に自己の作品をより深く知ってもらうために、作品や技法・材料について紹介するパネルを作成する。
(2)相手校の作品について感想シートを送る。
美術の意義等についての生徒の考えの深まり
生徒の感想シートは、自分にはできない表現に出会ったことによる驚きや発見で溢れていました。また、相手校から届けられた展示の様子の写真や感想シートは、他者の目から見た自分の作品の評価や価値について再認識できる良い機会となりました。
美術の創造活動が多様化する今日、生徒自らがその意義について考えを深めていくことは重要です。今後も、その様な機会を多く設定していきたいと考えています。
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