実践NOTE550 「自分事として課題をとらえ、子どもの意欲を持続させる探究学習としての生活科の授業づくり ~子どもの「やりたい」「見たい」「しりたい」「〇〇たい」をスタートに~」
自分事として課題をとらえ、子どもの意欲を持続させる探究学習としての生活科の授業づくり ~子どもの「やりたい」「見たい」「しりたい」「〇〇たい」をスタートに~
静岡市立南部小学校 教諭 福地 智子
教師としての悩み
4月よりも意欲が減退した1年生の12月。「子どもがやってみたくなる魅力ある課題を設定し、意欲を持続させることや多面的な見方で自ら学びを進めていく授業展開が必要」と考え、生活科の授業で実践しました。
自分事としてとらえる課題・探究学習としての生活科の実践
「自分でできるよ」の単元を「かぞくにこにこ大作戦」と名付け、自分でできることを増やすねらいで授業を行いました。スキルアップのための授業では「あるお母さんが、体操着がぐちゃぐちゃで困っているって…」と話題を提示することで、自分の体操着の片づけ状況を振り返らせました。「僕かも」「私かも」のつぶやきとともに「どうやったら服を上手にたためるか」という問題が自然と子どもから出てきて、課題解決につながりました。
また、探究学習のサイクルを意識して単元を構成しました。試行錯誤しながら、次の課題を設定し、それを繰り返すことで、さらに難しい課題に挑戦する子や家族のために何をするかという視点で考える子も出てきて、意欲的に取り組むことができました。
個人内動機・外発的動機付けに着目した実践
個人内動機付けと外発的動機付けの両方の活用により、子どもがやる気を持続できることを再確認しました。個人内動機としては、前述したように授業内でお手伝いスキルアップを行うことで「やれそうだ」と自信を持たせ、家庭での実践で「できた」という満足感につなげました。外発的動機としては、保護者の方に協力を仰ぎ、とにかく褒めるコメントを書いてもらいました。子どもたちは毎時間「先生、読んで!」と保護者からのコメントを楽しみにし、褒められることの重要さを感じました。
さいごに
身近な取り組みを課題にし、家庭の協力を得られたことで、子どもたちは自分事として課題をとらえ、学びへの意欲が高まりました。教員がどうかかわり、仕掛けていくかによって授業の流れも変わっていきます。子どもたちが主体的に学ぶために何が必要なのか、さらに研修を続けて授業改善していきたいです。
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