実践NOTE537 「『味わう』体験から食文化の継承を」

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ページID1063319  更新日 2024年5月2日

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「味わう」体験から食文化の継承を

裾野市立東小学校 栄養教諭 神山 絵未

はじめに

 子どもたちに「今日の給食どう?」と聞くと、「おいしい!」とすぐに返事が返ってきます。それだけでもうれしいものですが、どうおいしいのか、なぜおいしいのか、子どもたちが伝えられるようになるといいなと考え、「味わう」ことに着目した活動を実施したので紹介します。

だしの味を言葉にして伝える

写真:だしの味を確かめながら
だしの味を確かめながら

 11月の和食の日。本校では、子どもたちに積極的に味わってもらうため、何のだしを使うか、どんな和食献立が食べたいか、投票してもらい献立を決定しました。


写真:味わいカードを放送する児童
味わいカードを放送する児童

 当日、うま味を紹介した動画を見て、投票で決定したかつおだしの味噌汁を食べた子どもたちは「うま味が分かった!」と感動していました。さらにその感動を、「味わいカード」という紙に書いてもらいました。「ほわぁ~とした味」や「ほんのりしたやさしい味」など、子どもたちから出てきたさまざまな表現を、給食委員会が1週間にわたり放送で紹介したところ、「うま味」や「だし」がどんなものなのか子どもたちの印象に残り、だしの存在を意識して食べるようになりました。

飲み比べから静岡茶のよさを感じる

写真:静岡茶についてTT授業をする筆者
静岡茶についてTT授業をする筆者

 子どもたちの中で、毎日急須で淹れたお茶を飲むのは4人に1人程度。そんな子どもたちに、静岡茶の歴史や文化を継承してもらうにはどうしたらよいか考えました。


写真:お茶の淹れ方をレクチャー
お茶の淹れ方をレクチャー

 静岡茶は、気候、地形、土地の利用、技法や技術の開発など、さまざまな要素に恵まれて発展してきました。そこで、静岡茶の特徴の1つである手もみ技法を例に、製法の微妙な違いによる味の違いを体験する活動として、浅蒸し茶と深蒸し茶の飲み比べを実施しました。色や味を比べることで「深蒸し茶の方が味が濃い」「浅蒸し茶の方が飲みやすい」など、それぞれの好みが出てきました。お茶を飲み慣れない児童も、自分の好みの味わいを見つけるきっかけとなりました。

おわりに

 食文化は、知識と経験両方を通して受け継がれていくと思います。子どもたちが、様々な「味わう」経験を通して食文化に興味を持ってくれたらと思います。

このページに関するお問い合わせ

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