しずおか文化財ナビ 中屋遺跡出土黒漆塗瓜文鞍1点、呪符木簡5点、ヤダケ1束
- よみ
- なかやいせきしゅつどくろうるしぬりうりもんくらいってん、じゅふもっかんごてん、やだけひとたば
- 指定区分、指定種別
- 県指定/有形文化財 ・ 考古資料
- 指定日
- 2019年3月26日
- 員数
- 17点
- 所在地
- 静岡県静岡市清水区蒲原5300-5(静岡県埋蔵文化財センター)
- 一般公開有無
- 有
- 駐車場の有無
- 有
- 公開情報
所有者情報
- 静岡県
- 静岡市葵区追手町9番6号
指定内容
【指定資料】 本資料は、中屋遺跡で検出された鎌倉時代の護岸施設から出土した一括資料である。
このうち、黒漆塗瓜文鞍は、前輪と後輪がクマシデ属、居木がキハダで作られている。表面には黒漆が塗られ、25か所に瓜文が明瞭に残っている。全体的な形態や文様の特徴は伝世する鎌倉時代中頃の螺鈿鞍と共通し、螺鈿による瓜文が装飾された螺鈿鞍であったといえる。本品は、鎌倉時代の螺鈿鞍としては、遺跡からほぼ完形で出土した希少な事例であるととに、馬具の歴史のみならず漆工芸の歴史を考える上で貴重な資料である。
また、呪符木簡は5枚が重ねられた状態で出土した。いずれもヒノキ製で、「急々如律令」等の呪句が記され、うち3枚は表面右下に「春」「夏」「秋」、1枚は裏面中央に「冬」と記される。中世初頭における祭祀に係る木簡として学術上重要な資料である。
出土状況からは、ヤダケの束を敷設した上に呪符木簡を置き、これらを覆うように鞍が置かれ、その後、護岸の盛土が行われたことがうかがえ、11点が残るヤダケは黒漆塗瓜文鞍と呪符木簡と一体となった祭祀の一端を示す重要な資料である。
以上、中屋遺跡出土の黒漆塗瓜文鞍、呪符木簡及びヤダケは一括資料として当時の護岸工事に伴う祭祀行為の一端をうかがうことができる学術上重要な事例である。
地図情報
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