しずおか文化財ナビ 木造文殊菩薩坐像
- よみ
- もくぞうもんじゅぼさつざぞう
- 指定区分、指定種別
- 県指定/有形文化財 ・ 彫刻
- 指定日
- 2022年4月1日
- 員数
- 1躯
- 一般公開有無
- 無
- 公開情報
指定内容
本像は静岡市清水区の鉄舟禅寺に伝来する木造文殊菩薩坐像である。
丸く頬の張った顔立ち、誇張のない体の肉取り、浅めに整えられた衣文表現など、平安時代後期に流行した定朝様を踏襲した作風がうかがえる一方、目尻をやや吊り上げた引き締まった表情、胴部を細く絞り、弾力感のある肉身(にくしん)表現(ひょうげん)には鎌倉時代の彫刻に通じる要素も持つ12世紀後半に遡る優品として評価できる。
本像は胎内に鎌倉時代の修理銘と納入品を持ち、一般的に造立時に行われる納入を既存の像の修理時に行っている類例の少ない事例であるとともに、同期の文殊信仰の実際を示すものとして注目される。
以上より、本像は、平安時代後期の作風を示す優品であり、修理銘と納入品から鎌倉時代における文殊信仰の具体的な様相を示す作例であることから静岡県の彫刻史を理解する上で貴重である。
県指定有形文化財指定基準
絵画、彫刻の部1
このページに関するお問い合わせ
スポーツ・文化観光部文化局文化財課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3183
ファクス番号:054-250-2784
bunkazai@pref.shizuoka.lg.jp