しずおか文化財ナビ 法華経<(久能寺経)/>

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ページID1021036  更新日 2023年11月4日

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よみ
ほけきょう
指定区分、指定種別
国指定/有形文化財 ・ 国宝/書跡・典籍・古文書
指定日
1952年11月22日
員数
19巻
一般公開有無
公開情報

文化財の説明

書跡
永治元(1141)年、鳥羽上皇出家に際して上皇周辺の人々により書写された、華麗な装飾経。装飾経の代表である平家納経は、1164年に発願、1167年の奉納であるから、それよりも古い。また、巻ごとの個性も豊かである。
鳥羽の安楽寿院に納められたが、その後駿河久能寺に移された。当初30巻であったが散逸し、そのうち19巻を久能寺の後身である鉄舟寺が所蔵。
歴史的に見れば、これらの装飾経という所産は、平安貴族の栄華の裏側にあった不安がもたらしたものである。
藤原摂関家の下に集中した富は、藤原道長の「御堂」法成寺(今はない)や、その子頼通の宇治の平等院を見よ、とまでいわれた栄躍栄華も、藤原氏にはまだ天皇の進化であるという遠慮がある。「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思えば」と歌った道長も、一族の小野宮実資によってそれが記録され、その驕りを批判されるという「自己規制」が働いている。
しかし、天皇の父である上皇が行う院政には、もはやそのような遠慮はない。臆面もなく、この世に極楽を現出させようとする意志をありありと感じさせる。それを「規制」しようとするものは、もはやない。
そのような中に久能寺経は成立した。(出典:「ふるさと静岡県文化財写真集 5 絵画・書跡・典籍・古文書編」(編集発行:静岡県教育委員会))

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