「食」を通じたユニバーサルデザイン【寄稿日:令和7年3月7日】
株式会社 竹屋旅館 経営サポート部 竹内 智美 氏
「食」のユニバーサルデザインと聞いて、皆さんのイメージではどのようなものが挙がるでしょうか。
例えば、宿泊飲食業の食の現場では、ピクトグラム表記(アレルギーや宗教上の理由で原材料を特定されたい方向けのわかりやすい表示)や、多言語表記などが浸透しており、随所にユニバーサルデザインが見て取れます。
これら視覚的・直観的な情報伝達は非常に有効ですが、実際の現場では上記のような取り組みだけでは乗り越えられない様々な事情をお持ちのお客さまもいらっしゃいます。
例えば、疾病や疾患などで食事内容に制限のある方、宗教上の理由でそもそも食べられるメニューがない方、車いすや身体障害等の理由で施設環境的に利用が困難な方。
様々な制限をお持ちの方は常に「食べる」ことに何かを我慢したり諦めたりせざるを得ない事情があり、「楽しく幸せな食事の時間」を大切な人と共有できないことも稀ではありません。
私たちホテルでは、先に挙げた例などから一歩進んで「食事をする時間」のバリアフリーを目指し下記のようなことに取り組んでいます。
•疾患等で食事制限をしなければならない人でも気軽に楽しめるフルコース料理「駿河湾レシピ」の提供
→医師監修のもとカロリー・糖質量・塩分量等をすべて計算し、その上で美味しさも追及した健康美食。
•養護学校修学旅行などの特別食の提供
→嚥下が出来ない生徒向けのペースト食・後期食の対応。着替えスペースを用意する等、同行者の負担にも配慮した食事環境を用意。
•ハラール・ムスリム・ベジタリアンなど特定食材の使用/不使用に対応したメニューの提供
→コース料理の用意だけでなく、「団体様のうち数名のみ」など極力柔軟に対応
私たちが一番大事にしていることは、同じ食事の時間をシェアする皆さんの記憶が、幸せなものであることです。
贅を尽くしたとびきり美味しいフルコースも、目の前の大切な人だけ食べられなかったり、笑顔でなかったらその記憶は決して幸せなものにはなりません。一緒に過ごした食事の時間を思い出して「一緒だったから楽しかったね、美味しかったね」といえる環境づくりにこれからも尽力していきたいなと思います。
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