手段と目的【寄稿日:令和3年3月4日】

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ページID1013472  更新日 2023年1月13日

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常葉大学 教育学部 教授 佐瀬竜一 氏

ユニバーサルデザインにはデザインという言葉が含まれるので、まちづくりやものづくりという動きが全面に出てくることが多いと思います。実際に静岡県を含めて多くの都道府県でユニバーサルデザインの考え方を意識したまちづくりやものづくりが推進されています。しかし、手段であったはずのまちづくりやものづくりが目的化して「多様性に配慮する」というユニバーサルデザインの本来の目的が隅に追いやられているケースもあるではないかと思うこともあります。ユニバーサルデザインの話に限らず、手段と目的を人は混合しがちです。自分たちが行っていること、行おうとしていることの先には誰がいるのか、その人にどうなって欲しいのかについて日常の中で考えることが手段と目的を混合しないコツの一つであると思います。自分が普段指導している学生には文章を書く、発表をするときは図のように読み手(聴き手)を具体的に想定し、その読み手(聴き手)の心の動きを想像して書き出しながら読む前後(聞く前後)でにどう変わってもらいたいのかを考えるように繰り返し指導しています。何かを行ったその先には受け手(聴き手)がいることをお互いが意識できる、もしくは意識する余裕がある社会であって欲しいと思います。また、それがユニバーサルデザインの推進につながるのではないかと考えています。

写真:手段と目的の図1

写真:手段と目的の図2

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