子どもたちに伝えたいこと【寄稿日:令和5年2月9日】

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ページID1052958  更新日 2023年3月22日

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NPO法人清水障害者サポートセンターそら 理事長 山本 忠広 氏

高校卒業後、静岡市中心部の大きなホテルに就職した。車いす用駐車場、多目的トイレ、車いす用押しボタン付きのエレベーターなど40年前にしては珍しく設備が整っていたが、当時健常者の私にとって、目に映ることはあっても意識して見ることはなかった。エレベーターのボタンは単なる低いボタン。多目的トイレは男性用トイレ内にあったと微かに記憶しているが、女性のお客様だったらどうするつもりだったのだろうか。今では考えられないが当時はそんなものだと思っていた。
4年後の交通事故で頚髄を損傷した私は、首から下にマヒが残り36年間車いす生活を送っている。歩いていた頃はホテルのフカフカな絨毯が心地よくとても贅沢な感じがしていた。今となっては手動車いすのタイヤが沈んでしまい非力な私にはバリアでしかない。立場が換われば感じ方も真逆に変わってしまう。
今は子供たちに障がい者の暮らしを伝えたくて、年に数回市内の小学校に行き福祉教育(4年生)の授業で話をさせてもらっている。スライドの写真に子供たちは目を輝かせ、興味津々に話を聴いてくれる。「車いすでの生活は大変」「車いすの人はかわいそう」という率直な感想も多いが、私の生活ぶりを見たり話を聴いて、自分たち(家族)と何も変わらない、同じように楽しく暮らしていることを知ってもらえるとほっとする。ちょっとした気遣いとお手伝いで人を幸せにできるということをこれからも伝えていきたい。

福祉教育2022年の写真

ボッチャの写真

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