移動に関するユニバーサルデザイン【寄稿日：令和3年3月18日】

静岡県車椅子友の会　役員　山崎克巳　氏

こんにちは。「静岡県車椅子友の会」の山崎克巳と申します。
私は、障がいを持つ当事者としての声を発信できればと思い、UDの委員会に参加しております。今回の投稿では、最近、私自身が外出した際、不便を感じたお話をさせて頂きます。
普段、私は社会福祉法人の職員として働いていますが、移動に関しては、身体的な理由により車を運転することができないため、WCV（車椅子用の三輪ビークル：写真1）を利用しています。ただ、WCVは電動式のため、雨の日には公共交通機関またはタクシーを利用しなければなりません。
先日、大型商業施設に行った時の事です。急に強い雨が降り出し、バス停で待つだけでも身体が濡れてしまう程でした。そこで、車椅子のまま乗車できるタクシー（写真2）を利用したいと思い、UDタクシーの配車をお願いしようと、複数のタクシー会社さんへ電話したのですが、
「以前はUDタクシーがあったのですが、今はありません」
「今日は、UDタクシーは運行していません」
「今、近くにUDタクシーが走っているかどうか分かりません」
など、驚く返事ばかりでした。
結局、バスで行きましたが、びしょ濡れになってしまい、残念な外出となってしまいました。ただ、バスの運転手さんが凄く親切に対応して下さったのが救いでした。
このように、移動手段が限られてしまい、更には利用したいときに利用できないのは、障がい者だけでなく、妊婦さんや、ベビーカーを利用する親御さん、高齢者の皆さんにとっても不便だと思います。将来、移動することが、誰にとっても手軽で簡単に行えるようになってほしいと考えます。

参考：静岡県内のUDタクシー導入状況

令和2年3月末現在、計429台のUDタクシーが県内に配備。

県では平成30年度から導入に係る補助制度を創設し、令和元年度は、県内各地において全体で154台、そのうちこの制度を活用し59台のユニバーサルデザインタクシーが導入されました。