ユニバーサルデザインの教育【寄稿日:令和4年3月18日】
静岡文化芸術大学 デザイン学部 教授 小濱朋子 氏
大学でユニバーサルデザイン(以下UD)を教えて8年経つが、高齢社会の問題が多岐にわたり、外国人・LGBTQ・発達障害など多様な人との交流が日常となっていることなどから、UDに興味を持つ学生は増加していると感じる。
教育の現場で私が心掛けていることは、まず、自身を含め誰もが「生活者」だと意識するように導くこと。同じ生活者として比較することで異なる特性を自分事としてとらえ、理解を深めやすくなるからだ。例えば視覚障がい者への配慮を考える際、「視覚に頼らない感覚の探求」というテーマにすることで、日常の景色が変わって見え、様々な気づきとアイデアが生み出されてくる。視覚に障害のある人が空間をどのように認識しているのか、実際に行動を共にし体感すると、意識していなかった様々な感覚に気づかされる。
今の若い世代は、人が知らないことを知っていることはかっこいいことだという。だから、高齢者が困っていることを細やかに知り、解決できることはかっこいいことで、相手のことをもっと知りたいという気持ちになる。もし、UDはダサい、何をしたらUDになるのかよくわからない、などと思っている人がいるとすれば、UDという言葉にこだわらずにちょっと視点を変え、「人の可能性に気づきあうこと」にもっとワクワクして欲しい。その道筋をたくさん見つけ、広めていくことが、教育・研究者としての私の使命だと思っている。
さらにご興味のある方は、朝日新聞の教育系Webサイトの取材記事や、大学の授業紹介をご覧いただければ幸いである。
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資料1:朝日新聞EduA「新紙幣のデザインに違和感?実は区別しやすくする配慮がいろいろ。子どもと知るユニバーサルデザイン」(外部リンク)
(参照2022年3月20日) -
資料2:静岡文化芸術大学「デザイン学科「ユニバーサルデザイン2」の夏季集中講義が行われました」(外部リンク)
(参照2022年3月20日)
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