コロナ禍におけるコミュニケーションのUD【寄稿日:令和3年3月29日】
静岡文化芸術大学 デザイン学部 教授 小濱朋子 氏
コロナ禍では「年齢、性別、身体能力、言語、機器操作のリテラシーなど人の特性に関わらず、いかなる環境でもストレスや疎外感なくコミュニケーションをとること(コミュニケーションのUD)」の難しさを体感し、「コミュニケーションの本質」を考える貴重な機会となった。そこで、遠隔授業やコロナ禍の生活における様々な気づきや事例、困難を克服するための提案など、学生が課題レポートとして提出した内容を基に、キーワードを図のように整理し、「コミュニケーションに関わる大切な要件」を考察した。
(1)聴覚情報の重要性(声の大きさ、トーン、周囲の雑音による聞こえにくさや快/不快など)(2)視覚情報の機微(文字情報の限界、絵文字やアイコンの誤解回避、Web通話における顔画像の有無など)、(3)視覚情報と聴覚情報の組合せによる理解力向上の効果、(4)話すタイミングや返答する「間」の意味、など「これまで何気なく交わしてきたコミュニケーションの中にある大切な要件」を、リアルな言葉を介して見出すことができた。対面でのコミュニケーションの価値は再認識されたが、対面でないコミュニケーションの気楽さや便利さに慣れはじめている。また、家族など親身になって自分をみてくれる人とのコミュニケーションがかけがえのないものであること、相手に思いやりをもって工夫することで気持ちよいコミュニケーションが成り立つことなどに、各々が気付いている。
アフターコロナのコミュニケーションの在り方は、コロナ禍の経験から学んだ「コミュニケーションの本質」を基軸に、少しずつ変化しながら進化していくのではないかと考える。詳細は、2020年度の静岡文化芸術大学紀要をご参照いただきたい。
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