「日本手話」は「日本語」と対等な1つの言語【寄稿日:令和5年1月31日】
静岡大学 学生支援センター 准教授 生川友恒 氏
静岡大学障害学生支援室では、毎年、本学の学生向けに手話講座を開催しています。ろう者がおかれてきたこれまでの歴史を知り、ろう文化に触れ、1つの言語として「日本手話」を認識する機会をつくることは、これからの共生社会を築いていく若い人たちにとって、意義のある取り組みであると考えています。
受講生からは、「バイト中に耳が不自由なお客さんをみかけ困ってそうなときは、手話や筆談で積極的に声をかけていきたい。」「手話を福祉の一部としてとらえるのではなく、手話を言語として捉える風潮に変えていきたい。」などの感想が寄せられます。
4日間だけの短い講座ですが、最後の日は覚えた手話と指文字などを使って、文章でお題が書かれた内容を発声せずに相手に伝わるよう発表をします。受け取る側も、相手の手話表現をみながら伝えたい内容を懸命に読み取ろうとします。そして、お互いに声には出さないという環境の中で、マスク超しではわからない豊かな表情を使ってコミュニケーションをとろうという姿勢がみられます。
本県においても平成30年3月に「静岡県手話言語条例」が制定・施行されています。県民一人ひとりが条例の基本理念を受け止め、ろう者が大切に守り続けている手話を尊重する社会につながることを願っています。
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