共生社会の実現に向けて私たちができること【寄稿日:令和4年3月17日】
静岡大学 学生支援センター 准教授 生川友恒 氏
ユニバーサルデザインを推進していくうえで、私たち一人ひとりが多様性を認め合う社会をつくっていくことが求められます。その一つが障害のある人と障害のない人が共に生きる社会を実現していくことです。
障害とは、見えない、聞こえない、書けない、歩けないなどの「医学モデル」による心身の機能障害に着目することではありません。社会にある様々な事物や制度、慣行などが、日常生活を営むうえでその人の妨げ(=社会的障壁)になっている「社会モデル」に基づいた障害を私たちの意識の中に根付いていくことが必要です。言わば社会の方に障害があるという考え方になります。
社会モデルによる障害は、ハード面、ソフト面、ハート面の3つに大きく分けられます。その中でもハート面の壁を乗り越えることが共生社会の実現を目指すうえで最も大きな課題と言えます。
ハード面とソフト面に関しては、国や行政、企業などの組織が主体となって改善していくのに対して、ハート面は個人が主体となって関わっていくことになります。例えば、街中で車いすを利用している人や白杖を使っている人、ヘルプマークを付けている人をみかけ、サポートが必要と感じた時に、勇気をもって「何かお手伝いすることはありますか?」と自然に声をかけていくような風土を目指していくことが共生社会の一歩につながると考えます。
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