特定非営利活動法人しずおかLGBTQ+(静岡市)2
性的少数者の居場所や、皆が語り合える場を作る「にじいろカフェ」
性的少数者たちが抱える生きづらさは、周囲の偏見や社会の仕組みにより起こるものです。だからこそ、性的少数者に関する課題はすべての人にも関わるのだということを、当事者ではない自分たちこそ発信していくべきだと、細川知子代表理事は言います。しずおかLGBTQ+が支援ではなく、「共に考える」ことを目的に活動しているのは、そのためです。
団体が運営する「にじいろカフェ」は当事者だけでなく、その家族や関心のある人など、様々な人たちが交流する場で、毎月1回トーク会やイベントを開催しています。プライバシー保護のため、参加対象を限定する回もありますが、フリートークなどは誰でも参加可能です。事前予約も不要で、時間内であれば自由に出入りできるので、気軽に参加できます。また参加にあたってはルールを設け、皆が安心して参加できるように配慮されています。同じ悩みを共有したり、意見を交換して理解を深めたり、にじいろカフェをきっかけに参加者同士の横のつながりも生まれています。
子どもから大人まで、幅広い世代に理解してもらうために
特定非営利活動法人しずおかLGBTQ+が監修を務めた「にじいろBOOKしずおか」は、静岡市が性の多様性や性的少数者に対する市民の理解を深めるために制作したパンフレットです。幅広い世代が性の多様性について理解し、身近に感じてもらえるよう、基礎知識や統計データ、当事者の声、関係者へのインタビューなどがまとめられており、清水桜ヶ丘高校の生徒たちがイラストを担当しました。
にじいろカフェの参加者は低年齢化が進んでおり、小学生や中学生が保護者とともに訪れることもあります。しずおかLGBTQ+では子どもたちにも多様性の啓発が進むよう市内全校配布用のポスターを静岡市教育委員会と協働制作し、「すき」にも様々な種類があることを子どもたちに伝えています。
2021年には、にじいろカフェの参加者の発案で、性的少数者のための「にじいろ成人式」を開催しました。当事者や支援者などが参加して決意を表明し、「成りたい自分」へ向けて新たな一歩を踏み出す機会となりました。
UDの取り組み〈実践者からのメッセージ〉
誰もが相手を尊重し、自分も尊重できることが、豊かな多様性社会につながる
細川知子代表理事より、メッセージをいただきました。
「一人ひとりのセクシュアリティ(性のあり方)はとても多様で、曖昧です。そのため、明確な自認ができないことも少なくありません。多くの方にそのことを知ってもらうとともに、あらゆる人がその多様性のひとりである、ということを認識してもらいたいです。ただ、人間の価値観はそう簡単に変えることはできないものですから、まずは自分と他者の違いを否定するのではなく、その存在をあるがままに受け止める所から始められたら、それで良いと思います。
にじいろカフェは、今後も静岡市の事業として継続予定です。静岡県・静岡市のガイドラインに則って、新型コロナウイルス感染症の対策を取り、これまで通り参加者が気軽に集い、オープンに語り合える場を作っていきます。また他の団体ともつながりを持ちながら、これからも活動を続けていきます。」
企業情報
静岡市葵区一番町50番地(番町市民活動センター内)
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