橋本エンジニアリング株式会社(浜松市)2
高度な技術を活かし、パラアスリートを支える競技用車椅子の開発へ
「MC-X」は、使用者の自立を支えたいという開発チームの思いから、「もっと乗りたくなる、出掛けたくなる」車椅子を作るというコンセプトのもとに生まれました。オーダーメイドで一人ひとりの体に合わせて乗り心地を良くし、軽量化により操作性を高めて、移動や輸送にかかる負担も軽減しました。さらに滑らかな曲線やスタイリッシュな色使いなど、レーシング・マシーンデザイナーによる斬新なデザインで、車椅子のイメージを一新したのです。
「MC-X」は好評を博し、多くの使用者からは折畳み式の超軽量車椅子も欲しいという声が集まりました。そこで重さわずか7kgという折畳み式の「X70」を完成させ、こちらも2018年にグッドデザイン賞を受賞しました。
橋本エンジニアリングの技術は展示会で注目を集め、やがて車椅子テニスのコーチより競技用車椅子の開発依頼を受けました。現在はパラリンピック出場を目指す選手のため、その能力を最大限に活かす、機動性と耐久性に富んだ車椅子の開発を進め、選手を全面的にサポートしています。
自社の技術を活かし、より暮らしやすい世の中を目指す
橋本エンジニアリングでは現在、軽量電動車椅子と電動ストレッチャーの開発にも取り組んでいます。軽量電動車椅子は、軽くすることで車に積み込みやすくし、タクシーに乗車する際の運転手の負担を減らすものです。電動ユニット部分から開発し、軽量化を図っています。電動ストレッチャーも運び手の負担の軽減と省人化を目指すもので、災害現場などでの活用が期待されています。
また、そば打ち職人からの要望を受け、超軽量のそば切り包丁も開発しました。従来の包丁は1kg以上あり、長時間の作業になると大変です。橋本エンジニアリングでは自社技術と異なる金属同士をかみ合わせるという特許技術を融合させて、重さが従来の約半分という超軽量包丁を作り上げました。
誰もがより暮らしやすい世の中を目指して、橋本エンジニアリングは自社の技術を活かし、様々な開発に挑戦し続けているのです。
UDの取り組み〈実践者からのメッセージ〉
ものづくりの町・浜松の力を合わせて、社会に貢献できる製品を届けたい
橋本裕司社長より、メッセージをいただきました。
「当社が世界最軽量の車椅子を開発できたのは、多くの地元企業の協力があったからです。ものづくりの町・浜松市には独自の高い技術を持つ企業が多く、協力してくれた各社はそのオンリーワンの技術を提供してくれたのです。皆が協力することで、多くの課題も乗り越えられるのだと実感しました。
当社では開発製品だけでなく、社内でも掲示板を色分けして見やすくするなどの工夫をし、ユニバーサルデザインを意識しています。また昨年、車椅子使用者を新たな社員に迎えたのを機に、スロープや多目的トイレを設置しました。社員同士の密を避けたり、来客者の管理を行うなど、感染症拡大防止対策も入念に行い、社員もお客様も安心できるよう努めています。
これからも地域と力を合わせ、社会に貢献できる製品を作っていきたいと思います。
企業情報
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