Eジャーナルしずおか第275号(抜粋)令和6年9月発行【最終号】
「Eジャーナルしずおか」をご愛読いただきありがとうございました!
静岡県教育委員会では、旧「教育広報」から今日の「Eジャーナルしずおか」に至るまで、広報紙によりさまざまな情報を発信してきましたが、電子化に伴い、紙媒体の発行は今回が最終となります。
今後は、新たなウェブサイト「Eジャーナルしずおか+」により、これまで以上に教職員の皆様を後押しできるような情報を発信していきますので、ぜひご利用ください。これまでご愛読いただき、誠にありがとうございました。
静岡県教育委員会広報紙の歴史を振り返ります!
【昭和24年~】 旧「教育広報」
【昭和35年~】 「教育速報」 ・ 【昭和51年~】 「教育委員会だより」
教育資料的な性格が強い旧「教育広報」を補完し、その時々の教育界の出来事や教育委員会の事業を紹介する役割を果たしました。
【昭和58年~】 「教育広報」
【平成20年~】 「Eジャーナルしずおか」
教育現場で頑張る教職員を後押しするとともに、優れた取組の共有による教育活動の活性化、本県教育に対する理解の促進などをねらいとしてリニューアルを行いました。
【令和3年~】 「Eジャーナルしずおか(フルカラー)」
【令和6年~】 「Eジャーナルしずおか+」(WEBサイト)
WEBサイトへの移行に伴い、カテゴリ別の閲覧や検索などの機能を実装し、利便性が向上しました。また、広報紙の紙面や発行時期に縛られず、情報の発信が可能になりました。
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教職員資質向上のための情報発信サイト「Eジャーナルしずおか+」
今後もさまざまな情報を発信していきますので、ぜひご利用ください!
実践NOTE548
ちょっとだけイマージョン
静岡県立浜松商業高等学校 教諭 久保田 愛
はじめに
日本語の話者が英語を習得するには2,000時間以上が必要と言われています。しかし、公立学校に通う子どもたちの多くにとって、英語に触れる機会は週に数回の授業のみ、ということが珍しくありません。「実際に英語を使ってみる場面」を学校生活の中で少しでも増やせたらいいなと考えています。
言いたいのに言えない
家庭基礎や体育の授業にALTと参加させていただきました。調理実習では「卵を割る」「さっくり混ぜる」など、英語で伝えたいのに思うように言葉が出てきません。「どうしよう?」と不安げな生徒もいれば、「エッグ、パッカン!」「オープンエッグ!!」など必死に何かを言う生徒もいました。卓球の試合に参加させていただいた場面では、ルールをよくわかっていないALTの誤審が続くも、「間違っています」と言うことができず困っている様子でした。これは、「英語で何と言えばいいのかわからない」以前に、ALTの先生に対して「違うと思う」と意見することに、ためらいがあったためでした。
言えた!伝わった!
ジェスチャーを交えながら「オープンエッグ」と言った先述の生徒に対して、ALTの先生は“Oh, you mean,BREAK AN EGG” と返してくれました。それを聞いて「あー、それそれ!ブレイクエッグ!!」と、興奮気味に返していた生徒の姿はとても印象的でした。「言いたいのに言えない」という経験が、「言えた、伝わった」という喜びにつながっていくことを実感しました。
協力できる学校だからこそ
学校生活の中で英語の使用場面を増やすこれらの工夫は、先生方のご協力があってこそ可能になりました。以前は、授業改善は自分ひとりの力でやらねばならぬことだと思っていました。しかし、今は、学校全体の環境こそが重要だと感じています。
「子どもたちのためになるなら」「それも面白いかもしれない」と、みんなでチャレンジできる本校の環境に感謝し、今後も小さな挑戦を続けていきたいと思います。
実践NOTE548は以上です。
実践NOTE549
ひとがずっと ちきゅうがずっと ~エコ活プロジェクト~
静岡県立浜松視覚特別支援学校 教諭 池野 夏美
はじめに
SDGsについて初めて学習をしたとき、「僕たちにできることはない。」と話していた6年生の2人が、エコ活プロジェクトを通して「僕たちが変われば、周りの人が変わっていって、世界が続く。」と語るようになりました。2人が中心となって活動した令和5年度の1年間の取り組みについて紹介します。
「僕たちがやらなければならないんだ」
総合的な学習の時間「エコ活」の学習をする中で、学校近隣の企業が、古着を回収して難民支援をする「服のチカラプロジェクト」を行っていることを知りました。社員さんからの勧めと指導を受け、プロジェクトへの参加を決めました。
そこで、難民の置かれている現状についてデータを基に学習を行い、難民の少女の手記も読みました。すると2人は、少女の辛さや悲しみに心を動かされ、「なんとかしたい。」とこのプロジェクトに本気で取り組み始めました。
「この活動を広めるためならば」
多くの人にこの取り組みに協力してほしいと願った2人は、「スペシャルメッセージ」を考えて、全校集会でプレゼンをしました。高等部の生徒から「私の小さい頃の服を持ってくるよ。」と言われ、自分たちの本気の思いが伝わったことを実感していました。
その後、取り組みを知った小学校からプレゼンの出張依頼を受け、居住地域と本校近隣の小学校へ行くことになりました。初めて出会う大勢の人の前で話すことに不安を抱えていた一人の児童も、「2人一緒ならやれる。」と勇気を出し、活動を広げるために力強く協力を訴えました。2人の訴えは小学校の児童らの心を揺さぶり、わずか1週間で1,000着近くもの服が集まりました。また、取り組みが新聞で紹介されると、多くの地域住民の方が服を届けてくださいました。
「僕たちにできることはある」
最終的に、多くの方からの協力を得たことで、3,000着40箱を難民キャンプに向けて発送しました。トラックを見送る2人の表情からは、社会の一員として責任を果たしたことの充実感や、自ら周囲に働きかけたことで協力を得られた喜びが読み取れました。
おわりに
活動の締めくくりには、「これからも人とのつながりを大切にして、新しい活動にも挑戦し続けます。」と力強く宣言した2人です。これからも、彼らが多くの人とつながり、地域の中でよりよく生き、学び続けていけるよう、私たちは地域や家庭と力を合わせて支援していきます。
実践NOTE549は以上です。
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