静岡県教育委員会

“ふじのくに”の未来を担う「有徳の人」づくり

Eジャーナルしずおか第264号(抜粋)令和5年10月発行

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ページID1057072  更新日 2023年10月5日

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モンゴルで過ごした、人生で一番アツイ6日間

 8月7日(月曜)から8月12日(土曜)まで、20人の県内高校生がモンゴル国・ドルノゴビ県を訪問し、現地の高校生との交流や異文化体験をしました。訪問は4年ぶり、7回目。7期生の活動の様子を紹介します!

🏁 交流日程 🏁

8月7日(月曜)

  •  航空機で日本からモンゴルへ

 8月8日(火曜)

  • ウランバートルからドルノゴビへ450kmのバス移動
  • 遊園地で現地高校生と交流

 県境のゲートで現地高校生の熱い歓迎を受け、ドルノゴビ県へ。
 サプライズで招待していただいた遊園地では、両国の高校生が互いに積極的に話しかけ、交流する様子が見られました。

現地高校生の歓迎を受け、ドルノゴビ県へ到着

遊園地で遊ぶ両国の高校生たち

8月9日(水曜)

  • 第6学校での交流
  • 伝統スポーツ体験
  • キャンプファイヤー

 第6学校での交流ではあやとりや書道、空手や浴衣の着付け体験などで日本文化を紹介しました。
 伝統スポーツ体験では、モンゴル相撲やアーチェリーなどに挑戦しました。
 夜は草原の真ん中で火を囲み、歌を歌って交流しました。

書道で交流

あやとりで交流

伝統スポーツ体験

キャンプファイヤー

8月10日(木曜)

  • 遊牧民体験
  • ハマリーン・ヒーデ寺院見学
  • 第5学校視察
  • 寝台列車でウランバートルへ移動

 遊牧民のゲルを訪ね、乗ラクダや乗馬、山羊の乳搾りを体験しました。
 第5学校ではふじのくに高校生文庫を寄贈。おすすめの1冊に英語の紹介文を添えてプレゼントしました。
 ドルノゴビ県を発つ時には、駅で3日間ともに過ごしたモンゴルの高校生と涙のお別れ。寝台列車でウランバートルへ
向かいました。

乗ラクダ体験

ふじのくに高校生文庫を寄贈

駅でモンゴルの高校生とお別れ


モンゴルの食事は羊肉が中心。ホルホグ(羊肉の石焼き)は、草原でみんなで輪になっていただきました。

砂漠の真ん中で食事

ホルホグ(羊の石焼き)とモンゴルのジュース

 8月11日(金曜)

  • モンゴル国教育・科学省訪問
  • 在モンゴル国日本大使館訪問
  • チンギスハーン博物館見学

 モンゴル国教育・科学省ではモンゴルの歌「ハローン・エルゲン・ノタグ熱き血潮の故郷)」を披露しました。
 在モンゴル国日本大使館では静岡出身の菊間次席に両国を繋ぐ仕事の様子などを伺いました。

モンゴルの歌を披露

在モンゴル国日本大使館前で

モンゴル国最後の夜の解団式


モンゴル国最後の夜に解団式を行いました。涙混じりに思いを語り合いました。

<生徒の声>

  • 自分がどんなに狭い世界で生きていたんだろうと気付いた。
  • バスケを通して、言葉の通じないモンゴルの高校生とふれあうことができ、スポーツの力を感じた。
  • モンゴルの高校生と別れるとき、まさか自分が泣くと思わなかった。

8月12日(土曜)

  • 航空機でモンゴルから日本へ

教育長表敬訪問

スライドを使って説明する代表生徒たち

 8月29日(火曜)に訪問団の代表生徒3人が教育長を表敬訪問しました。当日は、スライドを使って写真を交えながら説明し、「人との出会いの素晴らしさを知り、人生の幅が広がった」など、実際に現地に滞在することでしか得られない貴重な経験をしたことを報告しました。

引率者から

引率した県庁職員

 20人の高校生が旅の途中のトラブルを笑顔で乗り越え、現地の高校生と交流する姿はとても頼もしかったです。この経験や出会いを大切にしてほしいです。
 10月下旬にはモンゴルの高校生が来日します。高校生同士の充実した交流に向けて準備を進めていきます!


しずおか学校広報部

QRコード

 交流の様子はX(旧Twitter)の教育委員会公式アカウントでも発信しています。
 しずおか学校広報部 ▶QRコード
 「# モンゴル高校生交流」検索

実践NOTE525

特別支援学級の子どもの自立に向けての支援

静岡市立足久保小学校
教諭 大野 真里奈

はじめに

子どもと同じ目線で関わるように
子どもと同じ目線で関わる

 近年、各学校に特別支援学級が新設されています。支援級といっても、知的・情緒・肢体などがあり、さらに一人一人多種多様な特性をもっています。その分、担任は、その子に合った支援が必要になります。
私は、前任校で出会った一人の児童と1年間関わった中で、自分自身の支援や手立てについて深く考え、学ぶことができました。

重視した3つのこと

意思表示ボックス
 一緒に作った
「意思表示ボックス」

(1)児童の特性理解
 「気になる子」というのは、ついマイナスな面ばかりが目に入りがちです。しかし、見方を変えると「気になる子」は自分でもそのことを気にしています。苦手・不安なことを補うことが、教員の役割だと思います。今回は、「教室から出てしまう」
という課題から、特性に応じてクールダウン場所を示す『意思表示ボックス』を子どもと共に作成しました。教員側だけの考えで作るのではなく、「どの大きさの箱がいいかな?」「入れ口の幅は、小さい方がいい?」などと相談し、子どもの意思をくみ取りました。


チャレンジカード
トークン表
視覚化での生徒指導の図
視覚化での生徒指導

(2)段階を踏んだ手立て・指導
 『意思表示ボックス』の次に、トークン表の活用も始めました。毎日の目標は、2つ。できた項目にシールを貼り、ファイリングしていきました。開始当初は、空白が目立っていた表も約2ヶ月後に初めてマスが埋まり、二人で喜びを分かち合いました。指導にあたっては、口頭で伝えるだけでなく、ノートやホワイトボードを用いて絵や言葉で記し視覚化しました。


(3)保護者・職員間の連携
 前期は、常に保護者が学校に同行していました。休み時間には、子どもの様子や学校の体制なども保護者に直接伝えていました。それだけでなく、連絡帳でのやりとりも欠かさず行っていました。1年間に使用した連絡帳は4冊。これらが、保護者との信頼関係を築くものとなったと思います。また、毎週行われる打ち合わせで、職員間でも現在の子どもの実態・手立て・配慮すべきことなども共有し、学校全体で見守る体制づくりを確立しました。

おわりに

 全ての子に言えることですが、目標を達成するためには長期における指導計画を立て、そのためのスモールステップとして短期の指導計画の見通しを立てることが有効です。これは、正に学校で作成している個別の支援計画(サポートファイル)そのものです。この支援計画の在り方を大切にしていくとともに、今後も出会う子ども達の特性をよく見極め、寄り添いながら指導・支援していきたいと思います。

実践NOTE525は以上です。

実践NOTE526

生徒が自己の成長を実感できる指導と評価の一体化を目指して

湖西市立白須賀中学校
教諭 石濱 麻衣

授業での演示実験する筆者
授業での演示実験

 イメージマップを活用した理科授業における実践を紹介します。生徒が理科の見方・考え方の広がりや深まりを実感するとともに、教員がそれを適切に評価し、指導の改善につなげることをねらいとしています。

イメージマップの段階的な記入

生徒のイメージマップ図
生徒のイメージマップ

 イメージマップでは、単元の内容に関する用語から連想する自分の知識を洗い出し、それらをつなぐことで思考を整理します。まずは、単元導入時に既有の知識を鉛筆で記入し、各章の学習後に、学んで得た新たな知識を色ペンで追記します。
参考: 「 指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料
【中学校 理科】(国立教育政策研究所)

イメージマップを評価に活用

イメージマップから見取る生徒の成長図
イメージマップから見取る生徒の成長

(1)教員の評価と授業改善
 生徒が作成したイメージマップをもとに、中間評価を行います。「用語の量」「用語の内容や用語の関係」「振り返りの記述内容」の3点で評価し、授業改善につなげます。教員は、学習前と後の生徒の見方・考え方の変容を見取ることで、それを評価につなげることができました。

(2)生徒の自己評価
 単元の最後に、完成したイメージマップで思考の広がりを実感させながら、単元の学習を通して見方・考え方がどのように広がったり、深まったりしたか記述します。授業が進むにつれてイメージマップに記入する用語が増えていくことで、生徒は見方・考え方の広がりや深まりを実感することができました。


生徒同士の相互評価図
生徒同士の相互評価

(3)生徒同士の相互評価
 作成したイメージマップを使って、生徒同士の交流を行います。相互評価を通して、「電気の学習と化学分野のつながりがわかるようになってよかった」など、自分の見方・考え方の良さに気付くとともに、今後の学習への取り組みに生かしていこうという姿が見られました。また、友達から自分のイメージマップの良かったところを付箋に記入して貼ってもらうことで、自分の取り組みに自信をもつことができ、次への学習意欲につなげることができました。


実践NOTE526は以上です。

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