Eジャーナルしずおか第262号(抜粋)令和5年8月発行
静岡県立ふじのくに中学校開校
~中学校までの学びを「自分のペース」で深められる学校ができました(令和5年4月開校)~
🎀 全国初:複数教場 同時設置 🎀
🎀 全国3番目:県立校としての設置 🎀
こんな生徒が通っています
日本語がよく分からないまま来日した。日本の中学で勉強したけど、十分に理解できないまま卒業したので、もう一度中学校の勉強を学び直したい。
中学時代に不登校を経験し、十分な学習ができなかった。今は働いているので、働きながら中学校の勉強をしたい。
ふじのくに中学校の概要
中学校卒業年代から祖父母世代まで、外国にルーツのある方も在籍しています
※生徒数は、令和5年4月現在
磐田本校:生徒数9名
三島教室:生徒数5名
ふじのくに中学校の特色
個に応じたコース編成と授業例
磐田・三島の両教場をICTでつなぐ環境も整備しています!
コース | コース概要 | 1限 | 2限 | 3限 | 4眼 |
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教科学習
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中学校学習指導要領に沿って、中学校の全ての教科を学習します。 |
数学1 数学基礎 |
国語1 | 理科 | 英語 |
学習言語
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難しい学習言語の習得をその前後の予習授業や補習授業でサポートします。 |
補充学習 |
補充学習 学習言語 理科 |
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初期日本語
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学校生活や授業に必要な日本語を習得しながら、参加できる授業を増やします。 |
初期日本語 | 初期日本語 |
16時30分~17時00分 | ユーダイモニア・タイム |
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17時00分~17時15分 | 登校・清掃 |
17時25分~20時35分 |
授業 40分授業を1日4時間 2・3限の間に補食可能な休憩 |
21時00分 | 完全下校 |
なりたい自分になれる幸せを!
- 自分のコースに関わらず自主学習をしたり、授業で分からないことなどに取り組んだりする時間
- 学校生活や家庭生活の相談も可能
- 参加は自由
令和6年度 入学者募集
入学対象者
- 15歳以上の県内在住者
- 日本又は海外で9年間の義務教育未修了者(形式的卒業を含む)
- 在留カード(留学以外)所持者(外国の方)
※入学対象者についての詳細は、学校のWEBサイトもしくは、直接学校にお問い合わせください。
スケジュール
- 募集等(終了) → 説明会:6月/願書受付:7月上旬
- 追加募集(予定) → 9月以降 ※追加募集の日程が決まりましたら、学校のWEBサイトにてお知らせします。
実践NOTE521
学校事務再編へ向けて ~学校の働き方改革のために~
熱海市立泉小学校
主事 佐野 菜留
はじめに
泉小中学校は、小学校と中学校が併設されており、「泉の学校」と呼ばれています。併設校であることから校長、教頭、養護教諭、事務職員が小・中学校を兼務しており、学校教育目標「気づき、考え、表現する泉の子」の実現に向けて、小中一丸となって教育活動を行っています。
教職員の業務平準化や教員の子どもと向き合う時間の拡充、事務職員の学校経営参画拡大を目的とした学校事務再編を目指し、令和4年度から熱海市立第一小学校が研究指定校となってさまざまな取り組みを行っています。今年度は多賀中学校・伊豆山小学校が研究協力校として加わり、次年度より始まる市内全校での研究へ向け、熱海市共同学校事務室および本校で行っている教職員支援のための取り組みを紹介します。
共同学校事務室による教職員支援
熱海市では、教職員支援の観点から、教科書の無償給与事務を事務職員が担っている学校が多くありました。それを受け、共同学校事務室で需要数報告や転学に係るシステム入力を集中処理するなどの支援を行うことで業務が効率化され、事務職員が各所属で教職員支援を行う時間の確保につながっています。
本校における教職員支援
共同学校事務室の支援により生まれた時間を活用し、本校では教職員支援として、校外学習の会計処理、学校ホームページの更新などを担当しています。
校外学習の会計処理では、予算に関する助言や業者への領収証などの依頼、会計報告作成などを行います。
また、今年度から新たに情報担当の教員と連携しながら学校ホームページの更新作業を始めました。学校行事に関する報告や学校便りなどの更新作業を事務職員が行うことで、教員が子どもと向き合う時間を増やすことができました。
おわりに
教職員の業務負担軽減のためには、学校全体で事務的業務の見直しを行うことが重要です。今後も自らの業務のスリム化や効率化を進めつつ、教員が子どもと向き合う時間を確保する意識を常に持ち、業務を行っていきたいです。
実践NOTE521は以上です。
実践NOTE522
工業高校での的確な救急処置を目指して
静岡県立島田工業高等学校
養護教諭 薮崎 佳奈
はじめに
本校は、全校生徒569人のうち男子生徒が約9割を占める工業高校です。2年生から、機械科、電気科、情報電子科、建築科、都市工学科の5クラスに分かれ、校訓「璞磨(はくま)~誠実・叡智・創造~」のもと、地域の産業社会の担い手となる人材の育成を目指しています。
私が2年前に島田工業高校に赴任して感じたことは、けがで来室する生徒が目立つことと、日本スポーツ振興センターの災害報告書・災害継続報告書の申請件数が多いことでした。令和4年度は、けがでの保健室来室が年間168人、スポーツ振興センターへの災害報告書申請の件数が61件でした。また、スポーツ振興センターに関しては、令和3年度全日制高校の負傷・疾病の発生率(6.89%)と本校の発生率(10.7%)とを比較すると多い印象です。
え!折れてたの!?
「痛みが続くようなら病院に行ってね」と言って教室へ戻した生徒が骨折していたということが続きました。痛みもひどくない、腫れもない、介達痛もみられず、「これなら軽い突き指かな?」と思われる場合でも、骨折などの重いけがが隠れていることを感じました。気を抜いてはいけないと思い、捻挫や突き指について生徒向けの保健指導資料を作成しました。
資料には、経過観察中の注意事項や受診の目安の他に、骨や靭帯・腱の構造がわかるイラストを載せてあります。痛みを感じる生徒が自分の体の中をイメージできるようにし、自分のけがをきっかけに、日常的によくある捻挫や突き指への理解を深めてくれればと思います。また、生徒は家庭科の授業で骨密度を測っており、「島工生の骨密度が低い! 」という話を聞いているため、骨を丈夫にするためにできることも載せました。
知らないことばかりの工業高校
保健室へ来室した生徒に問診しても自分自身知らない単語が多く、イメージができないことがよくあります。不器用で、ものづくりと縁遠い人生で使った工具は、おそらく中学時の技術の授業で使った糸のこ盤とハンダごてくらいなので、工業高校にある大きな機械は未知の世界のものでした。
生徒が実習中にけがをした時、どんな道具や機械を使っていたかが分かるよう、時間を作っては工場の見学をさせてもらっています。危険性が高い道具や機械に驚くとともに、日頃から生徒に対して厳しく丁寧に安全教育を行い、大きな事故を起こすことなく授業を進めている先生方に感謝の気持ちでいっぱいです。
おわりに
保健室での生徒対応は悩みが尽きません。養護教諭として自信をもって対応できるように、救急処置について勉強し保健指導資料の種類を増やしていきたいと思います。また、保健室のみの対応で終わるのではなく、感じたことは職員全体に伝え、学校全体でのけがの防止に努めていきます。
実践NOTE522は以上です。
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