静岡県教育委員会

“ふじのくに”の未来を担う「有徳の人」づくり

Eジャーナルしずおか第266号(抜粋)令和5年12月発行

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ページID1058163  更新日 2023年12月6日

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【学校広報プロジェクト】「ふじのくに実学チャレンジフェスタ」を取材しました

 教育委員会事務局の広報PT(プロジェクトチーム)が、10月21日に開催された実学チャレンジフェスタを取材し、ブース出展していた生徒にインタビューしました。

(1)どのような魅力がある学校か
(2)今どのようなことに取り組んでいるか
(3)入学を考えている中学生に向けてメッセージ

「実学チャレンジフェスタ」とは?

 県の実学系専門高校及び総合学科高校では、地域や産業界、大学などと連携し、将来の産業の担い手を育成しています。「実学チャレンジフェスタ」では、これらの実学系高校が一堂に会し、日頃の学習成果などが披露されました!

天竜高校(森林・環境科)

写真:天竜高校(森林・環境科)

(1)どのような魅力がある学校か

 森林・環境科の授業は実習が多く、さまざまな体験を通して成長できます。何よりここにしかない授業が面白いし、実習では、生徒や先生方とのチームワークが深まることも嬉しいです。

(2)今どのようなことに取り組んでいるか

 森林科学類型の授業ではチェンソーや刈り払い機を扱えるようになります。また、自分だけの木工製品を作成できます。他にも、UAV(ドローン)の操作実習や、セルロースナノファイバーを活用した食品開発など、最先端の授業にも取り組んでいます。

(3)入学を考えている中学生に向けてメッセージ

 みなさんも、"天竜でしか"学べないことにチャレンジしてみませんか。森林科学類型ではドローンを使ったスマート林業にも挑戦しています。色々チャレンジしたい前向きな後輩を心より待っています!

島田工業高校

写真:島田工業高校

(1)どのような魅力がある学校か

 情報電子科には、全国でも珍しい放送技術班があることが魅力の一つです。普段体験できない映像技術や舞台照明音響技術について学ぶことができ、地域と協働し、活動を行っています。

(2)今どのようなことに取り組んでいるか

 資格取得や技術開発などさまざまなことに取り組んでいます。中でも、生徒が開発したデジタルスマート聴診器は、第81回全日本学生児童発明くふう展(発明協会主催)で奨励賞を受賞しました。

(3)入学を考えている中学生に向けてメッセージ

 情報電子科放送技術班は、さまざまなイベントに参画しています。地域協働で、イベントを成功させたときの達成感は格別です。放送関係に興味のある方はぜひ島田工業高校に!

静岡商業高校

写真:静岡商業高校

(1)どのような魅力がある学校か

 地域とのつながりを大切にする学校で、地域の方からも信頼され、応援してもらっているところが魅力です。私たちの課題研究では、地域のB型事業所とコラボした授業や、福産品の販売などを行っています。

(2)今どのようなことに取り組んでいるか

 手話や車いすの講座など、福祉の視点から障害者への理解を深める取り組みを行っています。静岡市内で行われた「夜店市」では、障害者の作ったコーヒーやクッキー、雑貨などを販売しました。SNSや講座を通して障害者との共生への理解を、社会全体へ広めていきたいです。

(3)入学を考えている中学生に向けてメッセージ

 期間限定で自由な服装で登校できる静商カジュアルデー(略称Sカジ)を実施するなど、生徒主体の活気あふれる学校です。地域からの信頼も厚く資格取得のサポートも充実しています。静商で一緒に学びましょう!

焼津水産高校

写真:焼津水産高校

(1)どのような魅力がある学校か

 県内で唯一の水産高校です。学校が船を所有しており、漁業・養殖業・食品加工・製造販売など実際に実践しながら学べます。就職率が100%なところも大きな魅力です。フィッシング部やカヌー部など水産高校らしい部活もあります。

(2)今どのようなことに取り組んでいるか

 魚をさばくところから始め、鯖の水煮やツナの缶詰を作る実習があります。また、1泊2日の乗船実習では海の微生物や水質などの研究ができ、クラスのみんなで釣りや遠泳をするなど、普通科では経験できない実習に取り組んでいます。

(3)入学を考えている中学生に向けてメッセージ

 4つの学科があり、専門的な知識を身につけられるため就職、進学どちらも進路先に選べる学校です。県内唯一の水産高校で、先生の異動が少ないため先生との距離が近く、普段の勉強も進路の相談も親身になって対応してくれます。他では体験できない3年間を焼津水産高校で過ごしてみませんか?

清流館高校(福祉科)

写真:清流館高校(福祉科)

(1)どのような魅力がある学校か

 福祉系のさまざまな進路・就職先に進める学校です。介護福祉士国家試験の合格率は6年連続で100%と、全国屈指の実績を誇ります。

(2)今どのようなことに取り組んでいるか

 福祉のスペシャリストを目指して介護実習に取り組んでおり、高校生のうちから福祉施設等の「現場」を体験できます。施設での実習はトラブルの連続で事前に考えていたとおりにならないことばかりですが、色々な人とのふれあいは楽しいし、何より勉強になります。

(3)入学を考えている中学生に向けてメッセージ

 とにかく福祉に触れてみて欲しいです。高齢者は若者との関わりが少なく、あなたの力を必要としています。色々な実習や経験をしながら、一緒に清流館高校で福祉を学びましょう!

清水南高校(芸術科美術専攻)

写真:清水南高校(芸術科美術専攻)

(1)どのような魅力がある学校か

 油絵・日本画・デザイン・彫刻と4つの専攻があり、専門の材料や画材が揃っている環境で作りたい、描きたいものに没頭できます。1年生で4つの専攻を広く学び、2年生から自分に合った専攻を選んで知識や技術を深めることができます。

(2)今どのようなことに取り組んでいるか

 2年生からは各専攻に分かれて技術を磨き、授業の課題やコンクール出品に向けて生徒一人一人が作品制作に励んでいます。美術専攻の生徒は全員美術部に所属するので、授業以外でも毎日作品制作に取り組むことができます。

(3)入学を考えている中学生に向けてメッセージ

 絵を描くことが好きな人、美大や芸大を目指す人、芸術に関する仕事に就きたい人はぜひ!美術を専攻したいなら最高の環境です。大変なことも多いけど、作品を作り上げる達成感は何物にも代えられません。清水南高校で本気で美術に向き合ってみませんか?

実践NOTE529

緊急時に備えての環境整備~効率的な保健室の物品持ち出し~

静岡県立浜北特別支援学校 養護教諭 鈴木 麻衣

緊急時に備えて「ハリーコール体制」

写真:ハリーコール訓練の様子
ハリーコール訓練の様子

 本校は、知的障害と肢体重複障害の学級を設置している特別支援学校です。医療的ケアが必要な児童生徒も在籍しています。そのため、てんかん発作や気管カニューレ抜去などの緊急時に備え、「ハリーコール体制」が整備されています。全校放送で「ハリーコール」という言葉が聞こえたら、養護教諭だけでなく、管理職や教員が現場に駆け付けます。それにより、いち早く人員確保ができ、状況の共有や、必要な管理職の許可・指示をその場で得ることができます。

ハリーコール!その時養護教諭は?

写真:養護教諭の緊急時持ち出し物品
養護教諭の緊急時持ち出し物品

 養護教諭は、ハリーコールが掛かったら、緊急時連絡先や健康情報の入ったファイル、緊急時用スマートフォン、救急用品を持って現場に駆け付けます。しかし、保健室の内外に点在している必要物品を揃えていると、忘れ物があったり、初動が遅くなったりすることに気が付きました。

ハリーコールで必要な物はここ!

写真:救急用品BOXと緊急時役割分担カード
救急用品BOXと緊急時役割分担カード

 できるだけタイムロスをなくすために、緊急時の救急用品の持ち出し方を見直すことにしました。まず、救急用品を半透明の工具箱に入れ、一目で何がどこにあるのか分かるようにしました。また、カートを購入し、上段にAED、アンビューバック、救急用品などの緊急時に必要な用品を乗せました。これにより、ハリーコール時の忘れ物やタイムロスが減り、迅速に出動できるようになりました。さらに、全職員に説明し、誰でも保健室から緊急時カートを持ち出せるように周知しました。

災害時はミニ保健室に変身

写真:緊急時カートを職員に説明
緊急時カートを職員に説明

 緊急時カートの引き出しや下段には、普段の処置でよく使う物やアルミシートなどを乗せ、災害時にミニ保健室として機能できるようにしました。
 これにより、災害発生時に必要物品を持ってすぐに移動することが可能になりました。

「みんなが分かる みんなが動ける」

 特別支援学校では、児童生徒の体調変化により、一分一秒を争う場面があります。緊急時に必要な物がどこにあるのか、どう動いたらいいのか、全職員が知っていることでスムーズに動くことができます。これからも、「みんなが分かる みんなが動ける」ということを意識して環境整備を行いたいと思います。


 実践NOTE529は以上です。

実践NOTE530

広げよう!難聴理解の輪〜地域支援部の取り組み〜

静岡県立静岡聴覚特別支援学校 教諭 石上 俊介

「聞こえにくさ」と向き合う

写真:筆者
筆者

 通級指導教室(難聴)には、小中学校に通う聞こえにくさのある児童生徒が通っています。難聴により補聴器や人工内耳をしている子どもたちの多くは、学校生活のさまざまな場面で聞こえにくさを感じています。授業中に先生や友達の発言を聞き落としてしまったり、休み時間に友達とのコミュニケーションが上手にとれず、孤立感を感じていたりする児童生徒もいます。自分の聞こえと向き合い、どうしたら聞きやすい環境づくりができるのか、自ら周囲からの理解を求めるためのセルフアドボカシーの力を身に付ける学習をしています。

在籍校担任と行う難聴理解授業

写真:在籍校担任との難聴理解授業
在籍校担任との難聴理解授業

 聞こえの特徴や配慮事項をクラスメイトに伝えるために行う難聴理解授業。聴覚障害教育を専門とする通級指導担当者と生徒が共に行うことを基本としていますが、今回は在籍校の担任の先生に生徒と共に難聴理解授業を行っていただきました。共に過ごす時間の長い担任の先生だからこそ気付く生徒の聞こえにくさを、一緒に伝えてもらうことができました。また、担任の先生が応援団になることが、聞こえに配慮されたよりよい学習環境づくりにつながりました。

難聴児支援講習会

写真:難聴児を受け持つ担任同士での情報交換
難聴児を受け持つ担任同士での情報交換

 幼稚園や保育園、市町の障害福祉担当課など、難聴児支援に携わる方々を対象に「難聴児支援講習会」を開催しています。聞こえの仕組みや聴覚障害に関する情報、園や学校でできる難聴児の支援方法などをお伝えしています。また、マイクを通じて話し手の声を補聴器や人工内耳の受信機に送信し、聞こえを改善する補聴援助システム(ロジャー)や補聴器を活用した聞こえの体験をしていただくことで、難聴児の聞こえに対する理解をより深めていただくよう心掛けています。

おわりに

写真:「ロジャー」の聞こえを体験
「ロジャー」の聞こえを体験

 聞こえにくい“音”があることを自分で認識し周囲に発信できるようになるためには、家族、医療機関、同じ聞こえにくさのある友達、園や学校の友達や先生など、理解の輪の支えが不可欠です。聞こえにくさのある子もそうでない子も、みんなが活躍できるように。広げよう!難聴理解の輪!


 実践NOTE530は以上です。

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