外国にルーツをもつ子どもの課題とは? - 実態調査の結果を通じて -

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ページID1068269  更新日 2024年12月20日

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2024年5月1日現在、県内の小中学校に通う日本語指導が必要な児童・生徒は4,804人と過去最多を記録しました。

教育現場では、子どもたちの日本語能力の向上のため、特別の教育課程の編成や日本語指導教員の配置などに取組んでおり、外国にルーツを持つ子どもの中からは、大学を卒業し社会で活躍する若者も輩出されています。一方で、中学校を卒業しても高等学校に進学しなかったり、非正規雇用で働く若者も多いという現状もあります。

そこで、県では、日本語支援以外に子どもたちに必要なことは何か検討するため、公立大学法人静岡文化芸術大学に御協力いただき、「外国にルーツを持つ子どもの実態・課題把握調査」を実施しました。

 調査からは、外国にルーツを持つ生徒たちの自尊感情を育むために、母語・継承語が重要であることが示唆されました。また、学校現場におけるやさしい日本語の重要性についても再認識させられる結果となっています。

 調査の結果について教育関係者にも広く共有するため、11月21日に県教育委員会とともに、県内市町教育委員会の外国人児童生徒担当者向けの研修会を開催しました。この中で、調査についての報告を行うと共に、当事者の声として、インドネシアとブラジルにルーツを持つ2名の大学生からの発表があり、「母語と日本語を話せることが自分の武器である」「日本生まれの自分にとって、母語は自分と母国を結ぶものだ」という言葉がありました。参加した教員からは「これまで1日でも早く学校生活、日本語に適応できるようになることを考えており、母語を大切にするという視点がなかった」「現場の教師が学習言語としての日本語を教えていくだけでなく、母語の大切さを理解して接していくことも、共生社会につながる大事なことだ」と言った感想が聞かれました。

 今後、本県に在住する外国人の増加に伴い、外国にルーツを持つ子どもはますます増加するものと思われます。全ての子どもたちが自信を持って学習に取り組み、自己の能力を伸ばし、本県を支える存在としてその未来を切り拓いていくことを願います。

調査報告書の全文は以下からお読みいただけます。

<報告書サマリー>

報告書サマリー

<報告会の様子>

報告会の様子 静岡文化芸術大学 佐伯准教授

静岡文化芸術大学 佐伯准教授

報告会の様子 ブラジルルーツ イズミフランシネマイさん

ブラジルルーツ イズミフランシネマイさん

インドネシアルーツ ラ・アディティアさん

インドネシアルーツ ラ・アディティアさん

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