働き方改革先進企業(社会福祉法人大東福祉会)
高齢者福祉施設や保育所を運営
社会福祉法人大東福祉会
- 所在地
- 掛川市下土方3584-1
- 業種
- 高齢者福祉施設や保育所を運営
- 従業員数
- 320人
- 取り組み
- 会議時間短縮プロジェクトとコミュニケーション活性化の取組
概要
掛川市の南部、旧大東町エリアで地域に根差し、高齢者福祉施設や保育所を運営している法人です。今回の事業では、会議時間の短縮やコミュニケーションの活性化に取り組みました。
アンケート調査を実施し、取組内容を決定しました!
全職員アンケート調査を実施
ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組を始めるに当たり、各施設の職員が日々の仕事や時間外労働、有給休暇の取得等についてどのように感じているのかを把握するため、全職員を対象にアンケート調査を実施しました。アンケートは、「法人がより良く変わろうとしている」というメッセージを職員に伝える狙いもありました。
アンケート結果から取組内容の検討
アンケートの結果から、施設ごとに「業務の効率化」、「有給休暇の計画的取得」、「仕事と育児の両立支援」などそれぞれ改善項目があることが分かりました。今回は、その中から「業務の効率化」を目標とし、「会議の効率化」に取り組むことにし、会議の質を落とすことなく、時間を短縮させることを目指すことにしました。
また、同法人のように職員同士が連携して業務を行う職場ではコミュニケーションが重要であることから、コミュニケーションの活性化にも取り組むことにしました。
対象は特別養護老人ホーム「大東苑」に絞り、他の施設のモデルケースとすることにしました。
プロジェクトチーム発足!「かえる会議5か条」を決定しました。
会議の効率化プロジェクトチーム「チームK」発足
「会議の効率化」については、大東苑の各部署の副主任クラスの職員によるプロジェクトチーム、通称『チームK』を発足し、実施方法の検討や取組の推進を行いました。
『チームK』の最初のミーティングでは、会議の現状について話し合い、「会議の目的が分からないままに参加している人がいる」、「要点をまとめて話すことに慣れておらず、話が長くなりがちである」、「単なる報告や連絡の時間が長く、重要な事柄を議論する時間が短い」等の課題が挙げられました。
「かえる会議5か条」決定
これらの課題を解決し、会議をより効率的で充実したものにするため、会議におけるルールを決め、一人ひとりに分かりやすく伝えるため、「かえる会議5か条」としてまとめました。“かえる”には、「変える」、「帰る」、「代える」という意味が込められています。
かえる会議 5か条
- 事前配布、事前確認…事前に資料を読んでから参加
- 役割分担…司会者、タイムキーパー、議事録作成者を輪番制に
- 時間配分…開始・終了時刻、時間配分を設定し事前に参加者へ伝達
- 全員が発言する…発言は要点を短くまとめ、全員が発言
- フィードバック…冒頭で会議の目的を共有、終了時に結論を確認
ワーク・ライフ・バランス講演会
ワーク・ライフ・バランスに取り組む背景や目的の共有化を図るために、職場づくりアドバイザーの小田切克子氏を講師として講演会を開催しました。
講演では、小田切氏がワーク・ライフ・バランスの目的について、単なる従業員の福利厚生ではなく、組織の「戦略」であり、最終的には顧客満足を高めることであると語り、参加者は会議を効率的に行う方法や、会議でより簡潔に話す具体的手法について、ロールプレイングで学びました。
社内報の発行
「コミュニケーション活性化」を図るため、社内報の発行を始めました。コミュニケーションツールとなるよう、法人内での行事やイベントだけでなく、職員の趣味や特技なども掲載することにしました。
取組の成果
「かえる会議5か条」の実践効果
各部署の会議で「かえる会議5か条」を実践した結果、約3か月間で次のような効果がありました。こうした取組の成果は、社内報を活用して、全員で共有していく予定です。
- 会議資料の事前配布が習慣付けられ、事前に内容を把握することで、会議の効率化・時間短縮につながった。
- 役割を輪番制にすることで、会議を欠席する職員がいても、他の職員が代替できる体制ができた。
- 会議に対する意識が高まり、早期に会議録を作成し、出席していない職員とすぐに情報共有できるようになった。
取組を通じて
「会議の効率化」に取り組み始めてから、短期間の内に多くの成果が上がりました。また、「かえる会議5か条」には、会議の司会等を輪番制にすることを盛り込み、業務の効率化のみならず、会議を取り仕切る能力など一人ひとりの資質の向上も図ることができました。
一方で、分かりやすい資料作成や議題の優先順位付けなど、今後の課題も明確になったため、さらなる改善を進めるため、引き続き取組を進めていくことになりました。
今後も職員間のコミュニケーションを図りながら、業務の一層の効率化を進めることで、ワーク・ライフ・バランスの実現した、働きやすい職場づくりを推進していきます。
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