小泉芽生さん(静岡東高校 2024年度留学 フィンランド)
インクルーシブ保育 〜すべての人が自分らしく生きられる静岡であるためにあるべき保育の姿とは?〜
留学情報
- 留学国
- フィンランド オウル
- 期間
- 令和6年7月31日〜令和6年8月13日
探究活動のテーマ
インクルーシブ保育
〜すべての人が自分らしく生きられる静岡であるためにあるべき保育の姿とは?〜
留学の概要
ダウン症の伯父への差別をなくしたい。探究の原点であるこの思いを胸に「すべての人が生きやすい静岡」を叶えるための探究を行いました。
- インクルーシブ保育
幼い頃よりマイノリティの存在を当たり前にすれば差別が無くなると考えました。フィンランドは保育者1人に対し子どもは7人です。そのため個性に合わせたインクルーシブ保育が可能になり保育者のワークライフバランスも整っていました。また点字がある室名札、段差が一切ない床、車椅子対応の御手洗いなどユニバーサルデザインが実現していました。 - 子育てを支える社会のあり方
街のデパートや小さな図書館には必ず子どもコーナーがありました。公園ではフリーマーケットが行われ必要なくなった絵本や古着が売られていて、話しかけたところ絵本を一冊譲ってくださりました。 - 3大自然がもたらす人々の寛容性
23時に夕焼けが見れる白夜、波の少ない大湖、道端のブルーベリー狩り、リスやキノコに出会う森。自然の力が私を嬉しかったことに浸らせ、辛かったことを消して包み込んでくれました。
留学して良かったこと
「人生を“自分らしく“創造する力」がついたことです。
言語の壁や探究活動への不安で苦しんだ時もありましたが、そんな時こそ大好きな海辺で自分と向き合う時間を作りノートに書き出しました。「限られた日々だから存分に楽しむこと。支えてくれた多くの人々への感謝を忘れず、皆に恥じないようにやり遂げること。」今日を楽しい1日にできるかは自分次第だから、やりたいと思ったことは全部挑戦しよう。この留学で培ったこの考え方は今でも、私の人生を私らしい方向に導いてくれます。
留学中に苦労したこと
留学前から懸念していた言語の壁です。フィンランドの公用語はフィンランド語で大人は殆どの人が英語を話せますが幼児は話せません。最初は子どもが話しかけてくれても何もわからずニコニコするしかありませんでした。しかし、簡単なフィンランド語をメモしておいて話しかけてみたり、スマホの翻訳機にむかって話してもらったり、コミュニケーションを取る方法はたくさんありました。子どもにフィンランド語を教えてもらうことも多く、数字の数え方や動物の名前を覚えることが出来ました。特に印象的だったのは、私にフィンランド語が通じないと理解した子どもが、ゆっくり話してくれたりジェスチャーで表現してくれるようになった事です。「相手に歩調を合わせる事」は多様化する時代でとても大事なことですが難しく考えてしまいがちです。でも、子どもがしてくれたような工夫を私も日常生活でできるように意識していきます。
留学で一番印象に残っていること
飛行機が遅延、運休と続き1週間帰国できなかったことです。帰国できないとわかった時は不安と恐怖で絶望しました。しかし今思い返すとこの1週間が私を大きく成長させたメインポイントでした。
空港やホテルは帰国出来ない日本人で溢れていて、勇気を出して自分から話しかけたことで孤独から抜け出すことが出来ました。そこで出会ったある方は空港で近くの人に自ら声をかけ仲間を作ったようで、その方の行動力に感銘をうけました。私も悲しい辛いと思うのではなく自分から行動していこうと決めた時でもあります。最悪のハプニングは最高の思い出に変わりました。
留学経験を活かして、今後やってみたいこと
多様な人々が気軽につながるコミュニティを作りたいです。「すべての人が生きやすい差別・偏見のない社会」にするために私に出来ることとして考えた方法の一つです。この留学は最初の一歩に過ぎません。これからもっとボランティアや地域の活動などにアンテナをはり、知識や経験を増やし、静岡、日本に貢献したいです。
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