医薬品の品質確保に対する取組

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ページID1069104  更新日 2025年1月23日

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近年、全国の医薬品メーカーで不正事案が相次いで判明しており、医薬品の供給に支障が生じ、医療現場での混乱が続いています。
静岡県は全国有数の医薬品生産県であり、県内メーカーで重大な問題が発生した場合、全国の医薬品供給にも深刻な影響を及ぼすことが危惧されます。
静岡県では、県内製造業者への信頼と、全国における医薬品の安定供給を確保するために、医薬品品質確保体制の強化に向けた各種取組を行っています。

監視指導の強化(無通告立入検査)

近年の全国で問題となった不正の内容としては、承認内容と異なる方法での製造や二重帳簿の作成、品質試験結果のねつ造等、組織ぐるみでの法令違反であり、これまで行政で行ってきた調査方法ではこれらの組織的な隠蔽行為に対応できなかったという課題も浮き彫りになりました。
静岡県では、不正事案の未然防止のため、監視体制を強化しており、無通告立入検査を積極的に実施しています。

令和3年以降の実施状況(令和6年12月末時点)は下記のとおりです。

無通告立入検査の実施状況
実施施設数

48施設 延べ54回

※主要な製造工程を担う全ての医薬品製造施設

実施結果

重度の不備事項:0施設
 認められた不備事項が、GMP省令に規定されている条項に抵触しており、以下のいずれかに該当する場合
 ・患者に有害な製品を製造した、あるいは有害な製品の製造につながる明白なリスクとなる場合
 ・製品あるいは記録について、製造業者による欺罔、虚偽の報告あるいは改竄が認められた場合

中程度の不備事項:18施設
 認められた不備事項が、GMP省令に規定されている条項に抵触しており、「重度の不備事項」に該当しない場合

軽度の不備事項:14施設
 認められた不備事項が、GMP省令に規定されている条項に抵触することが明らかとまでは言えないが、製造管理・品質管理の運用上、完全を期すためより適切な運用への改善が必要な事項である場合

指摘なし:16施設

 

※いずれの不備事項も改善済み

その他

無通告立入検査に併せて実施した収去検査(24検体)については、いずれも規格に適合

製造業者の支援(業界団体と連携した研修)

静岡県では、不正事案の未然防止のため、監視指導の強化と併せて、静岡県製薬協会と連携して製造業者を対象とした各種研修を実施しています。

令和4年以降の実施状況(令和6年12月末時点)は下記のとおりです。

業界団体と連携した研修の実施状況

対象

内容

実績

経営層

企業規模に応じたガバナンス強化の事例や体制構築の注意点

延べ540名

品質保証部門

自己点検等で発見された不備事例やその対策など

延べ4,916名

試験検査部門

検査データの改ざん防止対策など

延べ1,392名

初任者

法令遵守の意識向上に加え、初任者目線の注意点

延べ6,746回
(再生回数)

 

令和6年度経営層向けガバナンス研修会(開催報告)

静岡県では、令和4年度から静岡県製薬協会と共催により「経営層向けガバナンス研修会」を開催し、経営層を含め企業全体として法令遵守に取り組む体制の構築と企業ガバナンスの強化を支援しています。
令和6年度は下記のとおり開催しました。

研修名
令和6年度経営層向けガバナンス研修会

日時

令和6年12月23日(月曜) 午後2時から午後4時

場所

静岡市産学交流センター B・nest(静岡県静岡市葵区御幸町3番地の21 ペガサート6階)

参加者
88名(取締役、責任役員、部門責任者など)
講師
田中宏明氏(株式会社GOF 代表取締役/弁護士)
テーマ
「法令違反事例から考えるガバナンスの重要性及び構築への道筋」
内容
相次ぐ行政処分の端緒となった小林化工株式会社(福井県)において、事案発生後に外部から招聘され代表取締役となり同社の再建を主導した田中氏が、その経験を踏まえ、企業に求められるガバナンス体制構築の重要性と真に構築するためのヒントを講演
参加者の声
・経営層にとって一番大切な内容を再確認できた。
・改善には、経営者の本気が問われるとのコメントには身が引き締まる思いです。
・普段は聞くことが少ないガバナンス再構築のための実例が大変参考となった。
・管理職になって一番有意義な講義であった。

講演の様子

第4回GMPラウンドテーブル会議(開催報告)

独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」)では、GMPの適切な理解・運用の浸透や、製造管理上の課題の把握・解決に向け、医薬品等の品質確保に向けた関係者間のコミュニケーションのより一層の深化を図ることを目的とし、GMPラウンドテーブル会議を開催しています。
今般、静岡をサテライト会場として、下記のとおり「第4回GMPラウンドテーブル会議」が開催されました。

※静岡県では、県内製造業者の皆様とともに、安心で安全な医薬品づくりを推進しているところですが、その取組の一環としてPMDAに働きかけ、本県でのGMPラウンドテーブル会議の開催を実現しました。

会議名
第4回GMPラウンドテーブル会議
日時 

令和6年9月3日(火曜) 午前10時から午後6時15分

場所
クーポール会館(静岡県静岡市葵区紺屋町2-2)
参加者
企業32名、当局19名(静岡会場)
テーマ
ともに学び、ともに育むクオリティカルチャー
内容

・テーマに沿った講演

・クオリティカルチャー醸成の課題についてのグループディスカッション

・グループからの発表を受けたパネルディスカッション

参加者の声
・GMPの枠にとどまらず、改善につなげるためのビジネススキルとして議論できた。
・経営陣の関与や、経営陣と従業員を繋ぐ中間管理職の重要性を認識した。
・実行して結果が伴うかどうかは人によるが、各社のやる気のある人に会えるのでとても良い機会となった。

静岡会場の様子

このページに関するお問い合わせ

健康福祉部生活衛生局薬事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2869
ファクス番号:054-221-2199
yakuji@pref.shizuoka.lg.jp