西部地域施設概要:嶺田用水
施設の概要
嶺田用水は、菊川市内を流下する二級河川牛淵川と一級河川菊川に挟まれた農地に用水を供給するための水路で、その完成は1600年代前半だといわれています。この用水の受益地である嶺田地域は、昔から水源が不足し、農地をかん水することが難しいため、村人たちは常に日照りを心配していました。このような中、江戸時代初期に、立ち上がったのが、この地域の農民である中条右近太夫です。中条右近太夫は、奈良淵を水源とする築造計画を作成し、領主の横須賀城主に訴えましたが、何回訴えても聞き入れられなかったことから、江戸幕府に直訴しました。この訴えが徳川家康のゆかりの地に関わるものであったことから、用水は築造されることとなりましたが、右近太夫は越訴(えっそ)の罪で処刑されています。中条右近太夫にゆかりがある井之宮神社が、用水の下流域にある井之宮公園内に建立されています。近年、この用水路の内、菊川嶺田井堰から井之宮公園までの区間は、昭和50年代に整備されていますが、その下流については、新たに平成18年度からの県営の新農業水利システム保全整備事業により整備されています。
なお、嶺田用水は、新たに整備された地点から別路線である平田用水と合流し、それぞれの用水を補いながら下流域の農地に農業用水を供給しています。また、現在の用水の取水部となっている菊川嶺田井堰は、平成11年に築造されたもので、それ以前は、奈良淵井堰と呼ばれ、現在よりも少し上流側に位置していました。
施設の写真
施設までの交通アクセス
嶺田用水(取水工)
- 車をご利用の場合
東名高速道路:菊川ICより約15分 - 公共交通機関をご利用の場合
JR菊川駅:しずてつジャストライン「菊川駅前」(御前崎線)より「平田」(約21分)徒歩約15分
または菊川市コミュニティバス(丹野・嶺田コース)「嶺田地区センター」より徒歩約15分
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