先輩職員の声 眞田 麻貴
眞田 麻貴
所属 小山町立須走小学校
職種 学校栄養士
入庁年 平成7年
※掲載している職員の所属や業務内容は、平成30年11月現在の情報です。
これまでの職務経歴と、そこでどのようなエピソードがあったか具体的に教えてください。
- 平成7年
- 裾野市立学校 給食センター
学校栄養職員として採用されました。新しいセンターで、市内の全中学校5校分を作っていました。初日からガスがつかなくなるトラブルがあり、食物アレルギー用の除去食を、一人で学校に出向き、給湯室で作りました。その食物アレルギーをもつ生徒が、3年後、卒業時に親子で給食センターまでお礼を言いにきてくれました。食物アレルギー対応の日々の大変さばかりを感じていましたが、このご家族にとっては、これほどうれしいことだったのかと痛感し、この仕事への誇りと責任を感じました。先輩栄養士に、優しく、時には厳しく、栄養士としての仕事の基礎を教えてもらいました。ここでの経験が、私の全ての基になっていると感じています。 - 平成11年
- 御殿場市立 第三学校給食センター
小学校2校と中学校1校を受け持つ給食センターでした。所属校のすぐ隣にあったので、学校に出向くことも多く、先生方と話をし、意思疎通をはかることで、食に関する指導もしやすくなると感じました。給食時の学級訪問を計画に沿って行い始めたところで、継続した指導の重要性を感じた頃でした。また、養護教諭と連携し、保健指導と給食時の栄養指導の内容をつなげて指導を行い、系統立てて指導を行うことで、子どもたちの理解の深まりを感じ、連携の大切さを学びました。給食管理では、調理員と意見のぶつかり合うこともありましたが、おいしい給食を子どもたちに届けたいという思いは同じだと感じました。小学校と中学校で味付けを変えたりと、調理員さんと話し合い工夫したりしながら給食づくりができ、思いを共有する大切さを学びました。いろいろな料理にチャレンジできた給食センターで、献立作成の楽しさと「子どものための給食」を意識した時期でした。 - 平成15年
- 小山町立明倫小学校
はじめての単独調理場でした。子どもや先生方の生の声がダイレクトに届くことのすばらしさに日々感動していました。「この子たちのための給食作りをしたい!」と感じ、子どもや先生の声を生かした給食作りを、給食員さんと協力して行っていました。さらに、ここで初めて、学校教育の一年の流れや、学校組織を理解しました。学校教育目標、重点目標、年間指導計画等を理解し、給食や食に関する指導もこれに沿って行う必要があると感じました。校内研修にも初めて参加したり、TTでの授業を行ったりと、食に関する指導を行う機会をもらえました。先生方から、子どもの実態に沿って指導内容や導入の工夫をすることなども教えてもらいました。あらかじめ子どもが分かるので、授業も楽しく行うことができました。学校園でとれた野菜や5年生が総合で育てたもち米などを積極的に給食に取り入れました。体験活動と給食をつなげることへの効果の大きさを感じました。また、私自身が学校園の水かけなを収穫し、翌日の給食の食材としました。農家の方々の苦労も実感することができ、地場産物に対する理解を深めるとても良い経験でした。 - 平成19年
- 御殿場市立 第一学校給食センター(現在は西学校給食センター)
小学校4校、中学校3校を受け持ち、また、給食管理課もある給食センターでした。市内栄養士会等の段取りなども行う立場でした。指示を受ける側から、まとめる側になり、市内全体のことを考えることを学んだ機会でした。さらに、市の食育推進計画の作成に携わり、食に関する指導を効果的に行うためには、関係各機関と連携することの大切さを学びました。また、この時に食育マスコットとして公募作品をもとに作成した「ごてんばこめこ」が、今では、御殿場市の公式マスコットになり、とてもうれしいです。平成23年には、栄養教諭に任用替えとなり、食に関する指導を行うために、自ら学校に働きかけをしました。こちらから提案をしていくことで、学校からも要望等をもらえることができ、勇気をもって一歩を踏み出す大切さを感じました。 - 平成26年
- 小山町立須走小学校(現職)
小山町で2度目の勤務となり、初めてランチルームのある学校での給食管理となりました。中学校も共同のため、9年間の成長を間近でみることができるありがたい環境です。さらに平成29年度からは、隣接する幼稚園の給食も作ることになり、12年間の食に携わっています。本校の目指す子ども像「進んで関わり合う子」に迫るため、栄養教諭として、給食を活用しながら何ができるかを考え「ペア給食」を実施したり、学年間や異校種の子どもたちとの関わる場面を設けたりしています。今後も、栄養教諭はチーム学校の重要な一員と感じてもらう仕事ができればと思っています。また、学校が地域の食育の核となり、食の情報や食事のマナー、学校での給食の様子や食に関する指導などを地域全体に発信する大切さを日々感じています。
ある一日のスケジュール
- 8時00分
- 勤務開始、食材の検収、ランチルーム準備
当日納品される食材の品質や鮮度等を業者、給食員とともに確認します。チェック表の配布、献立ボードの記入をします。 - 9時00分
- 事務処理
調理指導、食材の検収
一口メモの作成
食に関する指導など
伝票チェック、献立作成、食に関する指導資料作成
調理中の衛生管理指導、翌日の食材の検収などや、給食一口メモ(給食委員会が放送)の作成をします。
食に関する授業に入ることもあります。 - 11時00分
- 調理指導
味見
調理中の衛生管理指導をし、味見をします。 - 11時分35
- 検食
学校長、事務職員と一緒に、ランチルームにて検食をします。 - 12時00分
- 給食指導
ランチルーム内をまわり、配膳や片付けがスムーズにできるように見守ります。給食時、子どもたちに給食の感想聞いたり、姿勢や箸の持ち方などの声をかけたりします。偏食児童には、重点的に声掛けをするようにしています。給食委員会の放送やチェック等の指導をします。週1回程度、全体へ向け、マナーや栄養、給食に関する話をします。また、残食チェックをします。 - 13時00分
- 翌日の打合せ
幼稚園給食の受け取り
給食員と翌日の給食について打合せや、幼稚園の給食の受け取りに立ち合います。 - 13時20分
- 清掃
児童のランチルーム掃除の指導をします。 - 13時45分
- 事務処理、食に関する指導、打合せ、会議、研修など
献立作成、発注処理、食に関する指導(授業)、食に関する指導について担当教諭と打ち合わせ、指導資料や掲示資料の作成、委員会、職員会議等の各種会議、研修などを行います。 - 16時30分
- 勤務終了
現在、どんな部署で、どんな仕事をしていますか?
小山町立須走小学校は、児童教職員合わせて約280名の学校です。隣には、須走中学校(生徒、教職員合計約100名)があり、小学校と中学校は、共同のランチルームを通してつながっています。ランチルームに併設された給食室で、毎日、小学校、中学校、さらに隣接する須走幼稚園の分も合わせて、合計約500食の給食を作っています。栄養教諭として、主に献立作成や衛生管理指導、そのほか給食指導などを行っています。また、町内の中学校1校(約160食)も兼務しており、週1回そちらに出向いて、給食管理業務を行っています。さらに、学級担任や教科担当等と協力し、家庭科などの各教科や学級活動で食に関する指導を行ったり、養護教諭と連携して食物アレルギーを持つ子どもへの対応を行ったりしています。町内の栄養士と協力して、衛生管理についての研修をしたり、道の駅や農林課等と協力して地場産物の活用を図ったりもしています。
仕事をする上で日頃心掛けているのは、どんなことですか?
食に関する指導を進める上でも、「おいしい給食」がいちばん大切だと思っています。常に「子どものために」どうしたらいいのか、何ができるのか、どうしたら楽しく学べるかを考えています。また、仕事を円滑に進めるためには「人間関係」がなによりも大切だと思っています。給食員さんとも、先生方とも、子どもたちとも、話をいっぱいするようにしています。給食員の休憩室に貼ってある、「やめではやめて」。「や…やだ」「め…めんどうくさい」「で…できない」は、言わないで、とにかくやってみよう。できなかったら、その時みんなで考えよう!は、とってもいい言葉だと思っています。
これまで仕事をしてきた中で、最もうれしかったこと、印象に残っていることはどんなことですか?(具体的なエピソードを交えて教えてください。)
最近のことですが、箸の持ち方を指導した時のことです。豆つかみコーナーと、手作りの手の模型を作りました。リアルな手の模型には、先生方の評判も良く、子どもたちも興味深々で、うれしかったです。また、豆つかみコーナーは、興味を持続するため、レベルアップしたものを、毎日一つずつ提示しました。休み時間にたくさんの子どもがチャレンジしていて、「できるようになったよ」「見ててね」「次は何が出るの」と。目をキラキラさせて挑戦している姿に、「興味・関心ってこういうことだな」、「自分ががんばったことが認められるってうれしい」と感じました。また、どうしてもうまく持てない左利きの子に、丁寧に説明して、見本をみせて、一緒にがんばった時「いつも教えてもらう見本とかは、右ききのばかりだから、左利きの私は、どうしたらいいか分からなかったの。今日、教えてもらって、はじめて分かったよ」と言われました。うれしさとともに、一人一人に向き合う大切さを、この一言で痛感しました。
県職員の仕事の「やりがい」「魅力」は何ですか?
栄養教諭や学校栄養職員は、職場に一人のことが多く、心細さもありますが、同じ学校の教職員だけでなく、他校の先生方、役場の職員、地域の生産者、保護者など、たくさんの人と関わりをもつことができる職種です。いろいろな人と話をし、一緒に仕事をすることで、自分自身の研修となり、仕事の糧となります。そして、つなげることができる職種でもあります。私たちが人と人を「つなげる」ことで、学校給食がよりよくなる、地域が活性化する、子どもたちやその親の食への関心が高まると感じられた時、とてもやりがいを感じます。また、県職員は、他市町に異動することも多くあります。それぞれの市町で形態や体制も異なりますが、良いところを次に生かし、更にレベルアップができることも魅力です。
これから入庁される方へ期待することはどんなことですか?
自分が入庁したらどんなことがしたいですか?「こんな給食を作りたいな」「こんなことをやってみたいな」など、たくさんの思いを持っているでしょう。すぐに実現するには難しいこともあると思いますが、皆さんの周りには、たくさんの先輩栄養士、先生方がいます。学校は、市町は、栄養士は「チーム○○」です。子どもたちが生涯を通して健康で過ごすために、私たちができることを、一緒に考え、実践していけたらと思います。何事にも恐れずチャレンジ精神を持って、若さいっぱいのアイデアを生かしてほしいです!
これから目指す県職員像、今後やりたい仕事等をお聞かせください。
子どもからも、先生からも、給食や食に関することで困ったときには気軽に相談してもらえるような栄養教諭になりたいです。そのために、食の情報について、アンテナを高くしていきたいです。また、いつでも話しかけやすいような人でいたいなと思っています。今年度、日本茶アドバイザーを取得したので、それを生かして、お茶のことを分かりやすく伝えていけたらと思っています。また、一つのことを深く学ぶ楽しさを実感したので、今度は野菜ソムリエの資格も取得したいなと考えています。野菜の魅力を伝えたり、特製に合わせた調理を工夫したりすることで、野菜が苦手な子どもへの対応に生かしたいです。
終業後や休日の過ごし方について教えてください。
趣味で「琉球舞踊」を習っています。週に1回、終業後に習いに行きます。踊りも楽しいですが、舞踊教室のお師匠さんや共に学ぶ異業種、異年齢の方々との交流も楽しいひと時となっています!数か月ごとに旅行など、自分へのご褒美を作るようにしています。その日のお楽しみを励みに、日々の仕事を頑張っています!
その他、特に伝えたいこと
「食は心の栄養!」。今の学校に来て、そのことを更に強く感じるようになりました。おいしそうな食事を見ると、おいしいものを食べると、自然と笑顔になるものです。楽しい会話をしながら食べると、心も豊かになります。給食の時間、ランチルームでは、子どもたちの笑顔をたくさん見ることができ、とても幸せです。小山町の教育長が「『食』は人を良くする」とよく言っています。子どもたちの、体と心の健康を担う学校給食に携わることができ、とても素敵な仕事だと実感しています!
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