先輩職員の声 岡山 修久

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ページID1032779  更新日 2023年1月26日

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写真:岡山 修久1

岡山 修久

所属 健康福祉部 吉原林間学園 治療指導課
職種 心理
入庁年 平成16年度


※掲載している職員の所属や業務内容は、平成30年11月現在の情報です。

これまでの職務経歴と、そこでどのようなエピソードがあったか具体的に教えてください。

平成16年
吉原林間学園 治療指導課治療班
最初の配属先が入所施設だったので、生活をともにしながら心理治療をする業務の難しさを感じながらも、心理職としての専門性を実践的に学ぶことができました。この時の経験が、その後のキャリアでも非常に役立っています。
平成19年
中央児童相談所 相談判定課相談班
児童心理司として、児童虐待や発達の偏り、非行などに関する相談・心理判定のほかに、児童養護施設等に入所する児童の心理ケア、療育手帳判定や幼児相談などの業務を行いました。面接や心理検査を通して、問題の背景にどのような要因が隠れていて、どのような支援が子どもの成長に役立つのかを的確に見立てること、またその見立てをともに働く児童福祉司や保護者、学校、施設、地域の相談機関などに分かりやすく伝え、連携しながら支援を行うことの大切さと難しさを実感しました。
平成23年
富士児童相談所相談課相談判定班
まだ開設間もない児童相談所で、職員数も少なかったため、前の職場では経験できなかった様々な業務に携わることができました。管轄地域の市役所や相談機関の方々と一緒に仕事をすることも増え、それぞれの役割分担を意識しながら連携することの大切さを学びました。経験の浅い職員に業務や専門的知識を教える機会も増え、自分自身の成長にもつながりました。
平成26年
吉原林間学園(現職)
児童相談所での経験を積んで、初めの配属先に戻ってきました。難しい仕事も任されるようになり、大きな困難を抱える子どもたちのケアに日々悪戦苦闘しています。

ある一週間のスケジュール

月曜
午前:おはなしの時間
午後:申し送り→学校訪問

担当の子どもと、週に一度、授業時間を使っておはなしの時間(心理治療の時間)を持ちます。工作やおやつ作りをしながら、目標や心配事について話し合います。退園予定児童の特徴や対応の効果的な対応を説明するために、県内各所の学校や施設に出張することもあります。
火曜
宿直勤務(13時00分から21時45分まで勤務)
午後:申し送り→処遇検討会議→寮支援

週に一度、宿直勤務があります。毎日13時から全職員が参加して行われる申し送りで、入所児の様子や変化を共有し、子どもの抱える課題にどう対応するか検討します。定期的に行われる処遇検討会議では、一人の子どもについて、職員皆でより効果的な支援方法や適切な退園先などについて検討します。児童福祉職・教員・心理職・児童相談所職員など様々な立場から、多様な意見が出ることで、より良い支援につながります。夕食からは寮で入所児の食事・入浴・自由時間・就寝の支援をします。喧嘩の仲裁や子どもを叱ることも大切な仕事です。その後、指導員室で睡眠をとります。
水曜
午前:寮支援→朝打合せ→記録作成
午後:申し送り(6時00分から14時45分まで勤務)

起床、身支度、朝食、登校の支援をし、朝打合せで前日から当日朝までの子どもの様子を上司に報告します。その後、休憩時間を挟んで面接記録や報告書を作成します。12時には子どもと一緒に昼食をとり、申し送りで当日午前までの子どもの様子を引き継いで宿直勤務を終えます。
木曜
午前:おはなしの時間
午後:申し送り→班会議→小グループ活動

班会議は、治療班職員(セラピスト)が集まり、業務に関する連絡や協議をするだけでなく、仲間から心理治療に関するスーパーバイズを受ける機会にもなっています。小グループ活動では、3~5人の小集団で近隣の公園に出かけて遊ぶなどして、大人が一緒に関わりながら子どもたちが対人スキルを学ぶ機会としています。
金曜
午前:おはなしの時間
午後:申し送り→保護者面接

保護者面接では、保護者に来園していただき、児童の学園での様子や入所目標の達成具合について話し合います。また、親の側が抱える課題に対して、より良い子育て方法や子どもの特性を伝えたり、親自身のストレスマネジメントについて話し合ったりします。

現在、どんな部署で、どんな仕事をしていますか?

吉原林間学園は、児童福祉法に定められた児童福祉施設(児童心理治療施設)で、被虐待・発達障害などの影響で様々な心理的課題を抱える小1から中3までの子どもが入所し、家庭を離れて生活しています。入所児童は、寮生活を送りながら園内の学校に通い、心理的・医療的ケアを受けています。私は、セラピストとして入所児童の心理治療を担当しています。心理治療の時間は「おはなしの時間」と呼ばれていて、プレイセラピーやカウンセリングなどを行い、担当児童と1対1で、一緒に遊びながら安心して楽しめる時間を提供したり、困っていることや心配していることについて話しあったりしています。また、週に一度、宿直勤務があり、入所児童の生活の支援をしながら、子どもの特性や変化を観察しています。さらに、保護者への支援や児童相談所・学校など関係機関との連絡調整も大切な業務です。対人援助の仕事は、困難を感じることも多いですが、生活全体をみながら支援できることは心理職として貴重な体験だと思います。

仕事をする上で日頃心掛けているのは、どんなことですか?

写真:岡山 修久2

様々な困難を抱えて社会適応が難しいように見える子どもたちにも、できるだけ幸せに暮らしてほしいと願っています。そのためには、一方的に不適応行動を責めるのではなく、問題や課題を抱えるに至るには何らかの事情があったのだろうという姿勢で関わることが必要です。その子どもがそれまでに経験してきたことや、生まれ持った特性など、背景にある様々な要因について思いをはせながら支援することが大切だと思っています。

これまで仕事をしてきた中で、最もうれしかったこと、印象に残っていることはどんなことですか?

ある講演会に出席した時に、私が入庁して初めて担当した当時中学生の方が、偶然居合わせて声をかけてくれました。当時は、不登校と親子関係の不調が理由で施設入所していましたが、25歳になって、家族との関係も改善して元気に働いていると笑顔で話してくれました。十数年経って、新人の頃の私の仕事が少しでも役に立てたかなとうれしく思いました。

県職員の仕事の「やりがい」「魅力」は何ですか?

行政における福祉の現場では、大きな困難を抱える家庭や子どもと関わることが多く、思うような結果につながらなかったり、成長や変化が目に見えるには時間がかかったりして、成果が見えにくいことが多いです。そのため、やりがいは感じにくいかも知れませんが、日々接する子どもや保護者の笑顔からたくさんのエネルギーをもらっています。また、心理職は非常勤や一人職場であることが多いですが、正規職員として多くの仲間と働ける県職員は非常に魅力的だと思います。

これから入庁される方へ期待することはどんなことですか?

私が入庁した時に、上司から「人を大切にするには、まず自分を大切にすること」と教えられました。特に健康で丈夫な心と体が求められる職種だと思うので、自分を大切にしながら仕事に取り組んでほしいと思います。

これから目指す県職員像、今後やりたい仕事等をお聞かせください。

児童福祉や対人援助の仕事は社会的なニーズが高まっており、新たな取組も求められている分野です。今後更に専門性を磨き、多くの子どもたちの幸せに貢献するとともに、ハードな状況でもしなやかに対応できるタフな職員になりたいと思っています。

終業後や休日の過ごし方について教えてください。

写真:岡山 修久4

上でも書いたように、「自分を大切にすること」はこの仕事を続ける上でとても大切なことです。自分の時間を自分の幸せのために使うことを意識して休日を過ごしています。私の場合は、家族とゆっくり過ごすことや十分な睡眠を取ることが最優先ですが、海外旅行や温泉巡り、登山なども楽しんでいます。

このページに関するお問い合わせ

人事委員会事務局職員課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
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ファクス番号:054-254-3982
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