平成27年2月県議会定例会知事提案説明要旨3-4-2
平成27年2月県議会定例会知事提案説明要旨
【3.「“ふじのくに”づくりの総仕上げに向けた重点的な取組」】(4)富士山を活かした地域の魅力づくり
次に、世界遺産富士山についてであります。
ユネスコ世界遺産委員会から平成28年2月1日までに提出することが求められている保全状況報告書につきましては、昨年の12月24日に開催した富士山世界文化遺産協議会において、資産の全体構想や来訪者管理戦略、情報提供戦略などが採択されました。
また、これらに掲げた取組をより実効性あるものとするため、世界遺産富士山の顕著な普遍的価値を後世に引き継ぐための条例の制定について、今議会にお諮りしているところであり、これを契機として、県及び県民、民間団体、来訪者等が連携して富士山の保全に向けた取組を一層進めてまいります。
今年度から本格的に導入した富士山保全協力金につきましては、来年度は、インターネット等による受付開始時期を早めることとし、また、登山口5合目の現地における受付時間も延長いたします。
御協力いただいた協力金については、5合目以上の環境保全対策、安全対策等に活用してまいりますが、県が行う事業だけではなく、市町や山小屋、非営利団体等が行う保全活動等に対する新しい補助制度にも活用することで、より幅広い活動の展開を図ってまいります。
富士山世界遺産センター(仮称)の整備につきましては、平成28年度中の開館を目指し、世界遺産富士山を「守る」、「伝える」、「交わる」、「究める」ための拠点施設として、建築界のノーベル賞とも呼ばれるプリツカー賞の受賞者である坂(ばん)茂(しげる)氏による設計が順調に進んでいるところであります。来年度は、建築工事と展示物製作に着手するとともに、古文書などのデータ化や巡礼路の特定に関する調査研究を実施するなど、センターの事業実施体制の構築を進めてまいります。
三保松原(みほのまつばら)の景観改善につきましては、世界遺産の構成資産にふさわしい景観を創出するため、今月3日に開催いたしました第4回三保松原白砂青松(みほのまつばらはくさせいしょう)保全技術会議で、現在の消波堤に代わるL型突堤の構造や配置等について御承認をいただきました。
来年度は、養浜工事により砂浜の回復を促進するとともに、L型突堤の構造及びデザインの細部を決定して、景観の改善を着実に進めてまいります。
富士山周辺の自然環境保全対策につきましては、富士山クリーンアップ登山大作戦や6ヶ国語によるマナーガイドブックの作成配布、車両等乗り入れ規制地域におけるオフロード車乗入れ防止対策などを進めてまいります。また、山梨県との連携を強化して、絶滅危惧種保護や外来植物撲滅対策に取り組むほか、来訪者による植生への影響について、経年的に評価するためのモニタリング調査を新たに実施してまいります。