森の力再生事業の取組と整備地を活用したイベント
1 森の力再生事業とは
森林には、木材を生産する機能のほか、山地災害を防止する機能や、きれいな水を安定的に供給する機能など、私たちの生活を守り、豊かにする機能がたくさん有り、それらを静岡県では「森の力」と呼んでいます。この「森の力」は道から遠い場所や、斜面が急な場所にある森林などで、所有者による手入れが困難となると、十分に機能が発揮されなくなってしまいます。
このため、静岡県では、森林が本来持っている「森の力」を早期に回復させるため、平成18年度から「森の力再生事業」により荒廃森林の整備を進めています。手入れが遅れた森林でも、適切な本数となるよう伐採等を行うことで森林内に日光が届くようになり、下草や広葉樹が回復します。この自然の力を活かして、針葉樹と広葉樹が混じった多様で豊かな森林に誘導することで「森の力」を高め、災害に強い森林を育てます。
平成18年度から令和5年度までの18年間で、浜名湖約3個分に相当する約20,700ヘクタールの森林が「森の力再生事業」によって整備され、森林がもつ「森の力」は着々と回復しています。
本事業は、県民の皆様に御負担いただいている「森林(もり)づくり県民税」(個人:年400円、法人:年1,000円~40,000円)を財源に実施しております。
2 森の力再生事業の整備地を活用したイベント
また、県民の皆様に森林や林業について理解を深めていただくため、森の力再生事業の整備地において、普及啓発を目的とした様々なイベントを行っています。
一例を御紹介いたしますと、春と秋に、県民の皆様が森林とふれあい、森林の大切さや森づくりに対する理解を深めていただくため、森づくり団体等と協働で、「森づくり県民大作戦」を開催しています。
これは、森の力再生事業で整備し、明るくなった森林などを会場に、木の伐採体験や植栽、クラフト体験など、森林とふれあう様々な体験プログラムを県内各地で開催しているもので、人気のプログラムは、例年即日申し込み定員に達するなど、参加者の皆様から大変好評であります。実際に整備された森林を訪れていただくことで、森林整備の大切さを実感していただいています。
その他にも、「森の力再生事業への理解」と「森と海のかかわりを知る」ことをテーマに、漁業体験(乗船と餌やり)と森林体験(森の力再生事業地の伐木見学と丸太切り)を組み合わせたツアーなど、多彩なイベントを実施しております。
引き続き、「森の力再生事業」によって荒廃した森林の再生に取り組むとともに、県民の皆様に森林整備の効果や重要性を理解していただけるよう努めてまいります。
内容に関するお問い合わせ
静岡県経済産業部森林・林業局森林計画課
住所:〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2668
メール:shinrinkeikaku@pref.shizuoka.lg.jp