経済産業部長室
経済産業部長
齊藤 卓己
経済産業部長室へようこそお越し下さいました。
令和7年4月に経済産業部長に就任しました齊藤卓己(さいとうたかみ)です。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
本県経済は、緩やかに回復を続ける一方、物価高騰の長期化や人手不足の深刻化、デジタル技術の導入など、多くの課題を抱えております。農林水産業においても、先端技術の活用や気候変動への対応などが求められています。
こうした課題に機動的に対応し、持続的な経済成長や県内産業の活性化を図るためには、地域の魅力や特性を最大限に活かしながら、イノベーションや次世代産業の創出、地域経済を牽引する企業の成長促進や中小企業の経営力向上、DXの推進や産業人材の確保・育成、農林水産業における競争力強化や担い手確保などに、スピード感を持って取り組んでいくことが重要です。
このため、経済産業部では、現在策定中の次期総合計画における政策の柱に基づき、次のとおり、産業政策を着実に推進し、「幸福度日本一の静岡県」の実現を目指してまいります。
- イノベーションの創出と次世代産業の振興
本県の地域経済の活性化や新たな成長産業の創出・育成に向けては、スタートアップの創出・育成・連携や、高い成長を目指す企業の誘致などにより、活力ある多様な企業の集積を図るとともに、成長が見込まれる分野における取組の深化により、イノベーションの創出や本県経済を強力に牽引する次世代産業を育成してまいります。
具体的には、県内中小企業の課題解決や既存産業に革新をもたらす存在となり得るスタートアップに対して、ベンチャーキャピタルと連携した資金調達支援や実証実験に対する支援を行うなど、スタートアップ支援を充実・加速化してまいります。
また、企業立地件数日本一を目標に掲げ、知事トップセールスによる誘致活動等を展開するとともに、戦略的に産業団地を創出してまいります。
さらに、ファルマバレー、ウェルネス、マリンバイオなどのプロジェクトの取組等を通じ、次世代産業分野への地域企業の参入・事業化を促進してまいります。 - 県内中小企業の競争力強化と成長支援
本県経済の屋台骨である中小企業、小規模企業の持続的発展に向けて、各企業の成長の方向性に合わせた支援策を、産業界、金融界等の皆様と一体となって推進してまいります。
具体的には、中小企業等への資金繰り支援とともに、商工団体、金融機関等による伴走支援の下、生産性の向上や新たな事業展開など、中小企業等の挑戦を支援してまいります。
また、後継者不足に対応した事業承継への支援や、県内地場産業の魅力発信、リノベーションによる地域独自のまちづくり等を推進してまいります。 - 産業人材の確保・育成とDXの推進
女性、高齢者、障害のある人、外国人など多様な人材に対する就職支援や職場定着支援、ダイバーシティ経営の普及促進など、誰もが活躍できる環境の整備を進め、人材の確保・育成を図ってまいります。
特に、令和7年度は、県・市町・企業の3者が連携して行う若者の奨学金返還支援のための補助制度の創設や、外国人材の受入や定着を支援するための企業向け相談窓口の設置などに、新たに取り組んでまいります。
また、DXの推進に向けて、イノベーション拠点「SHIP」を核としたICT人材の確保・育成、生産性向上を図るための中小企業等へのAI・IoT・ロボットの導入を促進してまいります。 - 農林水産業の競争力強化と人材の確保・育成
本県農林水産物の供給力拡大を図るための支援や首都圏等への販路拡大に取り組むとともに、県産品の輸出拡大に向けて、新たな海外販路の開拓に取り組んでまいります。
農業分野につきましては、AOIプロジェクトにおいて、先端農業技術の研究開発を進め、成果の創出と生産現場への普及・展開を図り、県内農業のスマート化を推進してまいります。
また、静岡茶再生のため、海外需要の拡大を踏まえ、世界展開を視野に入れた静岡茶統一ブランドの策定と輸出向け茶葉の生産基盤の強化を両輪で取り組んでまいります。
さらに、多様な主体の参画による農村コミュニティの再生・創造、農地・農業用施設等の保全活動を支援し、農業・農村の多面的機能と持続性の確保を進めてまいります。
森林・林業分野につきましては、持続可能な森林経営の実現に必要な森林認証の導入を拡大するため、施業の集約化や認証材の供給体制の強化を一層進めてまいります。また、森林認証材を利用した住宅・非住宅建築物に対する支援の拡充など、県産材の利用促進を図ってまいります。
また、山地災害の発生と被害の拡大を防止するため、治山対策等を推進してまいります。
水産・海洋分野につきましては、静岡の水産業を未来につなぐプラットフォームを立ち上げ、課題の抽出や未来志向の対応策を検討するとともに、磯焼け対策やアサリの資源回復、流沈木の撤去により、本県水産資源や沿岸漁業環境の再生を図ってまいります。
また、漁協や水産業者等が民間企業等と連携して収益を増加させる取組など、水産業者等の新たな所得機会の創出を支援してまいります。 - 脱炭素社会の構築と循環型社会の構築
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、県内中小企業の脱炭素化やエネルギーの多様化に向けた取組を進めるとともに、資源循環と経済成長を同時に達成する循環経済への転換に向けた取組を加速化してまいります。
具体的には、企業脱炭素化支援センターによる個社支援の重点化を図るとともに、次世代太陽電池関連産業の育成、水素エネルギーの活用を促進してまいります。
また、リサイクル性に優れ、環境に優しい素材として幅広い用途での活用が期待されるCNFについて、循環経済における新たなビジネスモデルの構築等により、社会実装を一層加速してまいります。
最後に、4月から開催される大阪・関西万博では、6月6日~8日に静岡県ブースを出展し、本県が誇る富士山などの雄大な自然と豊かな食材、東海道の人の往来から生まれた多彩な食文化を世界に向けて発信してまいります。
また、同じく4月から静岡県、首都圏及び関西圏において世界お茶まつり2025春の祭典が開催されます。静岡県のお茶の魅力を国内外に発信してまいります。
このように、経済産業部が所管する分野は大変多岐にわたっており、私たち職員は、現場主義に立ち、県民の皆様からの声を大切にしながら、着実に施策を推進してまいります。
ぜひ、皆様の御理解と御協力をお願いいたします。
令和7年4月