推進員メッセージ(鈴木真澄)
「聴いてくれてありがとう」のその前に (実践活動〜)【鈴木真澄(長泉町)】
「うちの子、わたしの言うことを聞かないんです。」ならまだいい
そこに「どうしたら、言うことを聞かせられますか?」と続くと
出会ったこともない、その親の子どもを思うだけで切なくなります。
人づくり推進員となり2年、町では家庭教育支援員としても8年活動しています。
コロナ後「ロールプレイを使った子育て講座」に力を入れて実践しています。
町内の幼稚園や小学校で、年間1回実践しているロールプレイとは、親や子どもなどの役柄になりきって少人数でグループワークをするという方法です。
この目的は(1)人の話を傾聴する(2)人の考えは多種多様であると認識できる(3)言葉や態度で相手を抑圧していないか?を振り返れると考えています。
さらに「聴くことの難しさ」や「コミュニケーションの取り方や声かけ」などロールプレイを通して体験してもらいます。
子役になった時、我慢せず言いたいことを言う、その経験を通して子どもがなぜ、やりたくない?とか、それヤダ!と言えるのか?子どもの気持ちになってというより、自分が子どもになって、役柄を演じきることで、得られる気づきを大切にしています。
ある保護者が「ヤダ!って言えて、気持ちよかった。」と感想を述べてくれました。
そこから「嫌だったんだね」と共感して「無理強いさせていたのかな」と声をかけ、子どもの気持ちに寄り添い話を聴きます。
話を聴いたとき、話し始めるまでに時間がかかったとしても、親の寄り添う姿勢に「話を聴いてくれる、自分の気持ちや思いを、わかってくれる」と子どもが思うことが大事なのです。
そして、子どもから信じてもらえるようになるんです。
血のつながりがある親子だから、信頼関係があるとはいえません。
親子の間に信頼関係がある場合、例えば、親の言うことを子どもが理解をし、納得がいけば親の意見を受け入れたり、子どもも自身の意見を親に伝えることができる、そのような環境下にあるはずです。
親以外の大人に対しても同様であり、意見が違ったとしても、そこに叱る要素はないと思っています。
話を傾聴することには時間がかかります。
「子どもは自分の思ってることの1%も口に出せない」ともいわれています。
家庭や仕事に子育てのこと、自身のことにも時間に追われている親は、近年増え続けています。
時間のかかることを避け、叱る・脅す・否定するという簡単な子育て方法を選択してしまいます。
子どもと共にいられる期間は10年足らず、その短い時間だからこそ、子どもの気持ちや思いを共有して楽しく過ごしてほしいのです。
大人になった子どもから「小さい時にたくさん話を聴いてくれてありがとう!」そんな言葉のプレゼントがもらえる日が訪れること願っています。
参考文献
犯罪心理学者が教える「子どもを救う言葉・呪う言葉」
著者 出口保行
愛着の子育て
著者 ダニエル・J ・シーゲル
ティナ・ペイン・ブライソン
桐谷知未 訳
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