教育部長室
教育部長 前澤綾子
4月1日に教育部長に着任した前澤綾子です。私は小学校高学年から高校までを静岡市で過ごし、また今年になって小堀遠江守を流祖とする遠州流茶道を習い始めましたので、この土地には特別なご縁を感じています。
所信表明的なことを申し上げれば、教育行政の現在の課題は、DXによる教育の個別最適化、地域資源を活用した国際理解教育やSTEAM人材育成など「攻め」の部分と、いじめ・不登校対策や南海トラフ地震への備え、教員確保など「守り」の部分があると考えていますが、両面バランスよく行って参りたいと思います。
同時に、先日、知事からは県の財政改革を進めていくというお話がありました。県財政が厳しい中でこれまで教育予算は伸ばしていただいていることを大変ありがたく思いますが、政策担当者皆でこれから一層生きたお金の使い方を考えていかなければならないと責任を感じています。
さらに、高校無償化や日本版DBSの導入など、国全体で進めている動きもありますし、他方、教育現場で起きている個別の(地域特有の)課題もあります。県はその中間に立つ立場ですので、これも双方向へのアンテナを高くし、コミュニケーションをとって調整を図りたいと思います。
私はこの度、文部科学省から出向してきましたが、これまで内閣官房・内閣府・外務省・警察庁・神戸市・独立行政法人日本学術振興会と色々な組織に出向しておりました。
これまでの経験やネットワークを静岡で活かしていければと思いますが、とりあえず1つ紹介すれば、私の前職は警察庁の少年保護対策室長兼児童性被害対策官でした。在任中は少年に関わる色々な事案を見てきましたが、未成年者や児童生徒への性加害、特に教員や教育関係者によるものは、どのような状況であっても絶対に許容できません。この姿勢を県教委としても繰り返し示し不祥事根絶を目指します、と強く申し上げておきます。他方、スマートフォンやSNSの普及により、例えば児童ポルノ事案では、10代の検挙者が多くなっているのも現状です。子供たちが被害者にも加害者にもならないために、警察と教育関係者が連携して、学校や家庭でネットリテラシーを高めていくことが益々必要だと感じています。
私の執務室からは駿府城址が見渡せて、今の季節は満開の桜を嬉しく眺めています。これからどうぞよろしくお願いいたします。
ふじのくに来りてみれば桜花舞ひ降る春に迎へられたり