静岡県の鳥「サンコウチョウ」
制定の動機
昭和38年3月に「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律(旧鳥獣保護管理法)」が制定され、その中で各都道府県で作成することとなった「鳥獣保護事業計画」の中で「県民鳥獣の指定」をすることが定められました。
制定の経過
静岡県では昭和39年2月から「県民鳥」指定に着手しました。
まず、鳥獣行政の諮問機関であった「静岡県鳥獣審議会」の委員や県内の野鳥の会、野鳥専門家等の学識経験者に意見を求め、日本全国に生息する約436種の中から、県民鳥としてふさわしい5種類の候補鳥を選定しました。
〈選定した5種類の候補鳥〉
サンコウチョウ、ヤマドリ、セキレイ、ヒバリ、オシドリ
これら5種類の候補鳥について、昭和39年7月1日~15日の間、新聞・ラジオ・テレビ等の報道機関を通じて県民に広報し、県民鳥の公募をしたところ、サンコウチョウが第1位となりました。
この結果を受け、「静岡県鳥獣審議会」の各委員に諮ったところ、全員の承認により、最も公募数の多かった「サンコウチョウ」が、静岡県の県民鳥として、昭和39年10月2日に決定されました。
サンコウチョウの形態と説明
分類 |
スズメ目カササギヒタキ科 |
---|---|
生態 |
大きさはスズメくらいですが、雄鳥の尾の一部が特に長く、約30センチほどあります。 目の周囲とくちばしが美しいコバルト色をしています。 鳴き声が「月、日、星(つき、ひ、ほし)ほいほいほい」と聞こえることから、「三つの光の鳥」からサンコウチョウ(三光鳥)の名がついています。 |
習性 |
4月下旬頃に南方から渡来し、主に本州中部以西で繁殖します。 標高400~800メートル程度の山麓を好み、5~7月頃にやや薄暗い森林の中の地上2~6メートルくらいの三又・二又の枝の上に、木の皮や細い根などクモの糸で固めた逆円錐形の巣を作ります。 |
生息状況 |
開発による生息環境改変により、生息数減少の恐れがあります。 静岡県レッドデータブックでは、準絶滅危惧種に位置づけられています。 越冬地である東南アジアの森林伐採の影響も心配されます。 |
県内の生息場所
平成6年から平成8年にかけて生息調査を行った結果は次のとおりでした。
中西部 | 標高の低い地域に集中、小笠山、浜名湖北側から天竜川、安倍川、大井川流域で確認されました。 |
---|---|
富士山麓 | 低地から標高1,000メートル以上まで広く分布し、愛鷹山にも多くいました。 |
伊豆半島 | 海岸部分に分布しており、半島中央ではほとんど見られませんでした。 |
このページに関するお問い合わせ
くらし・環境部環境局自然保護課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-2719
ファクス番号:054-221-3278
shizenhogo@pref.shizuoka.lg.jp