野生鳥獣の密猟は犯罪です!!
野生鳥獣を許可なく捕獲することは法律で禁止されています
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)では、原則として、野生の鳥獣を捕えることを禁止しています(第8条)。
野生の鳥獣を捕まえることができるのは、基本的に、(1)特別な許可を得た捕獲、(2)狩猟期間中における狩猟免許者による狩猟か法定猟法以外での捕獲、(3)農林業上やむを得ない場合のモグラやネズミ(一部を除く)の捕獲しかありません。
卵やヒナがいる鳥の巣の撤去も犯罪です
鳥獣保護管理法では、卵やヒナがいる間に巣を撤去することも禁止されています。卵やヒナがいる場合は巣立ちまでの間(約1か月)温かく見守ってください。
違法に入手した野生鳥獣の飼育、譲渡し、譲受けも犯罪です
さらに、違法(密猟、密輸など)に入手した野生鳥獣を、飼育すること、販売すること、他人にあげること、他人からもらうこと、剥(はく)製や羽毛製品、毛皮、食料品に加工することも禁止されています(第27条)。つまり、違法に入手した野生鳥獣のやりとりは、例え無償であっても認められません。
「1羽なら許可なしで飼うことができる」などという制度はありません
野生鳥獣の捕獲には、限定された目的(※)に沿った捕獲許可が必要です。「1羽までなら許可がなくても大丈夫」などという制度は存在しません。
(※)限定された目的…学術研究目的、生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止目的など
なお、狩猟期間中、適法に捕獲された「狩猟鳥獣」であれば、飼育や販売、譲渡しなどが可能です。
(例)狩猟者が「わな」を利用して生け捕りにしたイノシシを、そのまま飼育するケースなど。
【狩猟鳥獣の種類】46種
- (鳥類26種)カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ、キジ、コジュケイ、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
- (獣類20種)タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン、イタチ(メスは禁止)、チョウセンイタチ、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌートリア、ユキウサギ、ノウサギ
- <注意1>狩猟鳥獣であっても、特別に捕獲が禁止又は自粛されている種類があります。
- <注意2>ニホンザルやドバトなどは、狩猟鳥獣ではありません。
- <注意3>「ノイヌ、ノネコ」は飼主の元を離れて常時山野等にいて、専ら野生生物を捕食し生息している個体とされています。「犬、猫」と「ノイヌ、ノネコ」を明確に判別することは難しいため、狩猟の際は注意をお願いします。
「密猟」なんて・・・実は案外、身近に起きています
メジロ、オオルリ、ヤマガラなどなど、今でも野鳥の違法な捕獲、違法な飼育が後を絶ちません。
かつては、メジロなど限定された野鳥に限り、愛玩目的で捕獲することが特別に認められていましたが、今では、静岡県を含む多くの県で、愛玩目的での捕獲は許可されません。
ただし、禁止される以前に捕獲許可を得て、飼養登録されたメジロのみ、登録を更新することができます。その際、必ず法令で定めた足環の装着が義務付けられています。
それでも、許可なく野鳥を捕まえ、飼育する人が後を絶ちません。実は毎年、全国で警察による摘発が行われているのです。
【密猟者がよく使う道具の例】とりもち、おとり用メジロを入れたカゴ
あなたの家から、家族から「犯罪者」を出さないために
突如、あなたの家に、行政機関や警察の車がやってきて、違法に飼っていた野鳥を押収される・・・そんな現実も起きています。
今の時代、「野鳥を勝手に捕まえたり、飼ってはいけないなんて知らなかった」という理由は通用しません。発覚した違反事例では、「かわいかった」「鳴き声が気に入っていた」など、違法と知りつつ密猟し、飼っていたケースが目立ちます。違法な捕獲や飼育などは、警察による摘発の後、鳥獣保護管理法違反で送検され、懲役又は罰金刑の対象となり、違反内容によっては、新聞報道されるケースもあります。
【鳥獣保護管理法による罰則】
- 許可なく野生鳥獣を捕獲した…懲役1年以下又は100万円以下の罰金(第83条)
- 違法に捕まえた野生鳥獣を飼育、販売、譲渡し、譲受け、加工した…懲役6か月以下又は50万円以下の罰金(第84条)
野鳥は自然の中で観て楽しみましょう
自然界には多くの生物が、それぞれ生態系の一部となって、複雑に、しかし同時に、絶妙なバランスを保って生きています。そんな厳しい自然界のルールの中にあって、力強く、一所懸命に生きる野鳥たちを、あるがままの姿で見守ってあげてください。決して個人の所有物にしようとせず、距離を置いて、自然のまま眺めるという楽しみ方こそ醍醐味ではないでしょうか。
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