第二種特定鳥獣管理計画(ニホンジカ)(第5期)
計画策定の目的
科学的・計画的な管理により、ニホンジカの長期にわたる安定的な維持と農林業被害の軽減を図り、生物多様性の保全、及び人との適切な関係の構築を目指します。
計画策定の背景
ニホンジカは明治から昭和初期にかけて全国で乱獲され、個体数が減少しました。しかしその後の保護政策や自然生態系における捕食者の欠如、採食植物の現存量の増加といったことから、現在では全国的に個体数が増加し、分布域も拡大しています。
県内においても、ニホンジカの個体数は増加傾向にあり、そのためにスギ、ヒノキ等造林木の枝葉の食害と樹皮摂食による枯損の害、シイタケ原木林の萌芽枝の食害、果樹やイネの食害などニホンジカによる農林業被害は多岐にわたっています。
また、わが国の山地帯の気候的極相林であり、富士箱根伊豆国立公園の主要な自然生態系である太平洋側ブナ林や南アルプスの高山地域における「お花畑」においても採食圧の影響が深刻な状況となっています。
そのため、県内全域を対象とする計画を策定し、ニホンジカ対策を講じていくこととしました。
計画の概要
- 平成16年10月に特定鳥獣保護管理計画(ニホンジカ(伊豆地域個体群))を施行しました。
- 平成18年10月に上位計画の延長の伴う計画期間の1年延長を行いました。併せて、個体数の増加が推測された伊豆南・伊豆北管理ユニットでもメスジカを可猟化し、伊豆全域でメスジカの狩猟による捕獲を解禁しました。
- 平成20年4月に特定鳥獣保護管理計画(ニホンジカ(伊豆地域個体群))(第2期)を施行しました。
- 平成24年4月に静岡県内全域を対象とした特定鳥獣保護管理計画(ニホンジカ)(第3期)を施行しました。(平成27年5月の法改正に伴い、第二種特定鳥獣管理計画(ニホンジカ)(第3期)に変更)
- 平成29年4月に静岡県内全域を対象とした第二種特定鳥獣管理計画(ニホンジカ)(第4期)を施行しました。(平成31年に、よりきめ細かなニホンジカ管理を行うため、管理ユニットを市町単位に変更)
- 令和4年4月に静岡県内全域を対象とした第二種特定鳥獣管理計画(ニホンジカ)(第5期)を施行しました。
計画期間:令和4年4月1日から令和9年3月31日まで
当面の目標である個体数削減のため、狩猟や有害鳥獣捕獲に加えて、個体数調整(管理捕獲)をメスジカの多い鳥獣保護区及びその周辺を中心に実施しています。
なお、令和3年度の県による管理捕獲では、全県で過去最多の14,603頭(前年度は14,305頭)を捕獲しました。
ニホンジカ生息密度調査結果
自然保護課が実施した令和5年度末のニホンジカ生息密度調査の結果です。
DX(ドローン)を活用した効果的な捕獲事業の実証
ドローンに搭載した赤外線カメラの画像により、ニホンジカの生息や移動状況を把握して、高精度な分布図にまとめ、即時に捕獲従事者に提供し、くくりわなを設置することで、効果的な捕獲活動を促進するとともに、捕獲時期の見直しや捕獲体制の事前構築等により、更なる捕獲効率の向上を実証しました。
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このページに関するお問い合わせ
くらし・環境部環境局自然保護課
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