平成29年2月県議会定例会知事提案説明要旨1
平成29年2月県議会定例会知事提案説明要旨
【1.前文】
平成29年度の当初予算案、並びにその他の議案を提出するに当たり、その概要を御説明申し上げ、併せて、当面する県政の課題について所信の一端を申し述べます。
私は、国土のシンボルであり、日本の中心に位置する富士山を擁するこの地に、「住んでよし訪れてよし」、「生んでよし育ててよし」、「学んでよし働いてよし」の日本の理想郷を築くべく、県政運営の基本理念に「富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり」を掲げ、その実現に取り組んでまいりました。
“ふじのくに”づくりの道筋を示す10年間の総合計画は、前倒しにより、平成29年度までの実質7年1か月で仕上げる計画に改め、その達成に全力を傾注しております。
進捗状況につきましては、県議会の皆様をはじめ、県民の皆様に外部評価をいただき、今月14日に「“ふじのくに”づくり白書」として公表いたしました。計画に掲げる施策は順調に進捗が図られているものと考えております。
後期アクションプランも、来年度は、いよいよ最終年となります。「総括の仕方が、新しい出発の仕方を決める」との考えの下、“ふじのくに”づくりの総仕上げを図るべく、邁進してまいります。
これまで、オール静岡で施策に取り組んできた結果、平成25年6月の富士山の世界遺産を皮切りに、茶草場農法の世界農業遺産、南アルプスのユネスコエコパーク、韮山反射炉の世界文化遺産の登録、駿河湾の世界で最も美しい湾クラブ加盟など、本県の資源が世界的な評価をいただきました。人材に関しましては、天野浩先生のノーベル賞受賞、昨年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでは本県ゆかりの選手の大活躍などがありました。また、今月に入って、静岡大学の寺西信一(てらにしのぶかず)特任教授がイメージセンサーの開発でエリザベス女王工学賞を受賞されるとともに、熱海市出身のピアニスト内田光子(うちだみつこ)さんがグラミー賞最優秀クラシック・ソロ・ボーカル・アルバム賞を受賞される朗報が届きました。
世界クラスの地域資源や人材群は46件となり、富士山の世界遺産登録から今月までで45ヶ月、1ヶ月に1件のハイペースで世界クラスの評価を得たことになります。
今、正に“ふじのくに”は、世界の檜舞台に名実ともに躍り出たとも言え、次の10年に向けて新たな展望を描く時を迎えております。
人々が心の豊かさを感じ、多様な暮らし方を選択し、幸せを享受できる地域へとステージが上がり、人種、宗教、文化を問わず、「生まれてよし老いてよし、生んでよし育ててよし、学んでよし働いてよし、住んでよし訪れてよし」の静岡県を世界に向けて発信できる条件が整いました。
ジャパニーズ・ドリームの実現、いわば、世界の人々から憧れを呼ぶ理想郷を築くべく、静岡県は新たなスタートを切るべきと考えておりますので、引き続き、県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。