人づくりちょっといい話29

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ページID1018540  更新日 2023年1月11日

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先生たちのすばらしい試み

日本各地の小中学校で、先生たちが子どもたちのためを思い、さまざまな試みを行っていらっしゃいます。

初めにご紹介したいのは、山口県の東北部にある美川町の河山小学校の中元啓二(なかもとけいじ)先生です。まず給食について。私たちは「学校給食」という言葉でしか理解していないのですが、この先生は給食を利用して、学校が出した給食のお弁当を持って河原に行ったり、里山に入ったりして、そこでみんなと自然を観察しながらご飯を食べる「青空給食」を行っていらっしゃいます。また、お父さんお母さんも一緒に来てもらって、子どもたちと同じが学校給食を、例えば校庭にシートなどを敷いてその上に座ってワイワイ言いながら食べたり、1年生から6年生までが全員一緒に保護者と食べる「ふれあい給食」を考え出したんですね。

それから集会です。各地の小中学校でも随分やっていると思うのですが、交通指導員という方が立ってくれますよね。朝、子どもたちが登校で道路横断するときに、車が来ないことを確認したり、来た車を止めて子どもたちを通してくれます。私が感心したのは、「交通指導員さんに感謝する集会」というものを設けて、指導員さんたちを呼んで、歌を歌ったり、遊戯やかけっこを見せたりするんですね。

また、駅や学校の周りを清掃して歩く「清掃集会」というものがあります。そうすると子どもたちが、大人って随分とゴミを出すんだな、と感心するというんですね。感心されては困ってしまいますが、こんなことをしてはいけないな、もっときれいな美しいまちにしたいな、という結論に至るそうです。

それから、伊万里焼で有名な伊万里市の山代町というところに、市立山城中学校があります。そこでは、井出和憲(いでかずのり)先生が、学習指導の工夫、改善をやっていらっしゃいます。この先生は「チームティーチング」という面白いことを考えます。

同じ学校に、同じ科目について複数の先生がいる(例えば国語を教える先生が2人とか3人いる)場合、その先生方が同じ教室に入り、そこで国語なら国語をチームで教えているんですね。ある先生が『万葉集』のある歌についてこんな解釈をすると、「それは先生『古今集』ではこんなふうに替わりましたね。それを正岡子規はこんなふうに読み替えてますね」と先生たちがお持ちになっている教養を、子どもの前で全部出すんです。私はこれは大変効果的だと感心しているんですよ。

草柳大蔵著「続・午前8時のメッセージ99話」(2002年発行)より

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