静岡県 森副知事のコラム 第21回『今年の干支(令和7年・2025年)』
今年の干支は乙巳(きのと・み)です。
「乙」は、草木の芽が外界の様々な抵抗のせいで真っ直ぐに伸びずに曲がってしまう、そのように草木の芽が曲がりくねる様子を表す象形文字です。
旧来のしきたりや慣習を破り、革新の道を進もうにも抵抗が強く、なかなか進めない。それでも「進むんだ」という決意を促すことを意味します。
春を迎えて「啓蟄」という表現があるように、冬眠していた色々な生き物(虫)が地表に這い出します。「巳」は、その象徴として蛇が這い出てくる様子を表す象形文字です。蛇が、「虫へん」であることも興味深いです。
そして、「乙巳」の意味することは、外界からの圧力や抵抗があっても、それに屈することなく、これまでの慣習や古い体制を改めて、前へ進むべき時であり、これまでにない新しいものを生み出していくべしと示しているのです。
ここで、昨年の干支を思い出してみましょう。
「甲辰」は、「新芽が古い殻から出るにはまだ時期が早く、なかなか出られない時であり、それでも旧体制を打破する努力を、着実に慎重に遂行すべし」と書いていたと思います。
翌年となった今年は、過去を清算し、いよいよ実行に移す年が到来。しかし、その道のりは平坦ではなく、懸命な努力が必要だという暗示です。
干支でこの組み合わせになる年は、他の年と比べて特別大きな節目の時期を表しています。今年と同じ干支であった過去を振り返ってみましょう。
120年前の1905年、日本では戒厳令が出されました。(現行の憲法では認められていませんが、明治憲法には明文化されていました。)戒厳令が発布されたのは、前の年に起きた日露戦争終結後の新しい秩序を堅持するためです。
さらに遡って、1185年、源氏が平氏を滅ぼし、鎌倉幕府を創設した年です。(1192年が鎌倉幕府誕生と習った方が多いですが、今は1185年としています。)新しい武家の秩序が興った年です。さらに遡って645年は大化の改新が興っています。
これら全て乙巳の年であることはとても興味深いです。
現代の世界情勢も、我が国の情勢もこれまでと違う大きなうねりの中にいると実感します。
本県行政もこれに照らして見ると変革の年が来たと言えるのかもしれません。
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