第19回『次世代県庁』
「次世代県庁」。近未来的な響きがある言葉です。
現在、県庁の建物の老朽化に伴い、新たな施設をどのようなものにするか検討が始まっています。新たな施設は県庁のあるべき姿を表わすものです。
改めて今、私たちが生活している環境を見てみましょう。人口減少という避けられない現実、異常気象による災害の激甚化、コロナ禍で人々の生活様式が大きく変わってきたこと、新技術、特にデジタル技術が進化し、各分野でDX化の推進が求められていること等、これまでに類のない社会変化にさらされています。
こうした背景のもと、民間企業のみならず自治体職員の働き方を考える上では、効率の良い事務執行のための仕組みとともに、働きやすい執務環境の確保が県民サービスの向上に直結するという視点を加えて、県の施設の総合的な検討を行うことが必要です。
言い換えれば、県庁組織の執務環境を考えることは、単に業務を行う空間の提供ではなく、県民福祉の向上や、県民が豊かさを感じられる行政をより効果的、効率的に行うことができる一つのツールとしての機能を考えていくことでもあります。
県庁本体とともに、県民の利便性を重視し、職員間の意思疎通も円滑にするような出先機関のあり方に加え、地域経済界との親和性を高めるため民間との連携の強化を目指すなど、複合的な機能を考えていかねばなりません。
そこで、新しい働き方として、現実性はともあれ、執務形態の一例をあげてみます。
東京新橋に、東京イノベーションベースという施設があります。ここは、東京都が所有する施設で社会課題を解決する目的があります。様々な業種の人々、特に若い研究者やビジネスマンが集います。国籍を問わず、多種多様な人々がそれぞれのビジネスチャンスを求めて集まって来ているようです。公共施設のイメージはありません。
本県の組織は都庁とは異なるので、このような施設が全て正解ではないのですが、公共の建物も「働く場」という概念を超えて構成すべき時が来たと感じます。
次世代の県庁を考えるに当たっては、今後主軸として働くこととなる若い職員からの意見も求めているところです。未来をイメージして、これからの働き方を視野に職務環境を考えること自体、その場所には勤務することがない私も、わくわくしているところです。
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