<地域資源活用関連>6次産業化と組織化により農業を活性化。ここでしか作れないオリジナル"ブレンド”で全国から愛される地域ブランドへ うなぎいも協同組合
- 所在地
- 〒432-8055 浜松市南区卸本町50
- 代表者
- 伊藤拓馬
- 電話
- 053-443-7615
- ファクス
- 053-464-5471
- 設立
- 平成25年
- 事業内容
- サツマイモ関連商品の生産・加工・販売
独自のブランドで農業を活性化!
日本有数のうなぎ出荷量をほこり、農業も盛んな浜松市で造園業を営む伊藤拓馬氏は、作業中に出る草木ゴミを活用して肥料を作っていた。同氏は肥料作りに専念する中で、価格競争の激化により、価格決定権のない農家が窮地に立たされた結果、耕作放棄地が増えていることに気づく。その現状を打破するため、ここでしか作れないブランド商品を作り、農業を活性化しようと考えていたところ、うなぎの加工工程で出る栄養価の高い残渣が焼却処分されていることを知った。「もったいない!」と思った伊藤氏は、うなぎの残渣を混ぜた肥料を考案し、それを用いて栽培したサツマイモ「うなぎいも」を開発した。
平成24年、「うなぎいもプロジェクト」を始動させ、翌年には「うなぎいも協同組合」を立ち上げ、農家の地位向上を目指す取り組みを始めた。
ブランド「うなぎいも」をどう広めていくか
現在30種類以上の「うなぎいも」認定商品が誕生し、駅やサービスエリア等で販売され、人気を集めている。
それは、専用の肥料と苗を栽培する「コスモグリーン庭好」、生産管理を手がける同組合、商品の認定や販売促進を担当する「うなぎいもプロジェクト」、商品を開発する加工業者等が一丸となって商品作りに励んだことで、地元からも愛され、地域外へ広まった結果である。
生産開始から2年半が経過し、「うなぎいも」の生産量は90トンから300トンに増加した。それに伴い、耕作放棄地も少しずつ減少し、新たな雇用も生まれている。これは単なる農業の成功事例ではなく、地域経済の活性化につながる取り組みであり、今後の活躍が期待されている。
起業後に直面した新たな課題
協同組合を立ち上げて、生産だけでなく加工、販売まで手がけるようになると、一気に注目が集まり、多くの関連商品が生まれた。その一方で、関係者が増えたことで様々な情報が飛び交い、判断に時間を要することが多くなった。情報を整理し、スムーズな事業展開を図るためにはどうしたらよいか?
<専門家によるアドバイス内容>
まず、一度事業そのものを俯瞰的に捉え、複雑化した「うなぎいも」事業の全体像を相関図に表し、それを皆で共有することで役割をはっきりさせる。
現在はキャラクターイメージと話題性が先行して売上を伸ばしているが、今後はリピート客の囲い込みが必要不可欠であり、そのためにはうなぎいも認定商品のマーケティングコンセプトを明確にしなければならない。「うなぎの残渣を肥料として育てられたサツマイモを使った商品」ではなく、購入者が「うなぎいも」認定商品に何を期待し、その期待に対して同組合がどういった価値を提供していくのかがポイントである。
マーケティングコンセプトを軸に、この事業に関わる全ての人が自らの役割を理解し、実行に移すことで、「うなぎいも」に対する顧客満足度は高まり、明確なビジネスモデルも確立されるだろう。
<アドバイス後の動き>
相関図に表すことで、各機関の果たすべき役割が明確になると同時に、現体制での課題点が浮き彫りとなった。また、それをスタッフ間で共有し、課題解決に向け具体的に役割を分担して行動に移せるようになった。また、「うなぎいも」のマーケティングコンセプトである「いもさとあまさ」を確立できたことで、個々の役割において統一した基準で的確に判断を下せるようになった。これは消費者の期待を超えた商品を開発するモチベーションとなり、事業全体の意欲を向上させることにつながった。
コミュニティビジネスとして重要な要素の1つである“商品・サービスコンセプトの明確化”がアドバイスのテーマでした。「うなぎいも」関連商品が購入者から期待されるポイントこそが、事業の根幹となります。
<担当専門家>
宮口巧氏(株式会社イワサキ経営/駿河増販情報センター)
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- コミュニティビジネスの推進
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