<まちづくり関連>地元のお母さんが得意分野で腕を振るい、地元商品と手づくり商品でにぎわいを創出。活気が溢れ、全国から人が訪れる町に 企業組合 であい村 蔵ら
- 所在地
- 〒410-3611 賀茂郡松崎町松崎319-1
- 代表者名
- 代表理事 青森千枝美
- 電話
- 0558-42-0100
- ファクス
- 0558-42-0100
- 設立
- 平成22年
- 事業内容
- 古民家を利用した飲食、物品販売、ギャラリースペース運営(手作り品・農産物・菓子等の製造・委託販売)、体験教室の開催
町の宝を住民が守る
なまこ壁の建物が建ち並び、かつて多くの人が訪れていた松崎町は、観光客の減少による地域経済の衰退と、住民の半数以上が高齢者という少子高齢化の課題を抱えている。
企業組合であい村蔵らの代表理事である青森千枝美氏は、「高齢者の介護予防・予防医療を普及させることで、町を元気にしたい。」という思いで、平成17年からボランティアで「ものづくり介護」を実践し、地元高齢者たちと手芸品の制作や販売を行う工房を運営していた。
平成22年、工房近くに建つ築150年の歴史ある古民家が取り壊しの危機に直面し、持ち主からその活用を依頼された。当時75歳という年齢を理由に諦めかけていたが、「町を元気にしたい。」という同じ思いを持った仲間たちからの後押しもあり、古民家を活用したまちづくり活動を開始した。
運営方法や建物を購入する資金の調達方法を模索する中で、共同出資・共同投資のワーカーズ・コレクティブというビジネススタイルにたどり着く。平成22年10月、地元に暮らす主婦たち25人と出資し合い、「伊豆松崎であい村蔵ら」を開店、平成25年5月には、企業組合であい村蔵らを設立した。
地域でお客様をおもてなしする
平均年齢70歳の主婦たちが元気に働く1階の食事処では、同組合が作っている無農薬野菜や地元食材を用いた、「さんま寿司」や日替わりご膳を500円で提供している。店内では、知らない人同士が大きなテーブルに向かい合い、どちらともなく会話が始まる。
さらに、座敷や2階のギャラリーには、地元に暮らす高齢者たちが作った小物や雑貨が並び、食事だけでなく買い物も楽しめる。それらは以前、青森氏がボランティアをしていた際に培った技術を活かして「売れるものをつくろう。」と商品化したものである。
お店の評判は、次第に口コミで広まって、県内外から多くのお客様が訪れるようになり、店内は常に満席状態だ。同組合の思いは地域内の商店にも広がり、ワンコインで楽しめるお店をまとめた地元ガイド冊子「松崎町ウキウキお散歩マップ」を作成するに至った。その結果、一丸となっておもてなしをしようとする地域の思いに来訪客は感動し、また訪れたくなるという好循環を作り上げている。
地域住民にとっての生きがい
ここで働くスタッフ全員が経営者である同組合では、日々1人3~4役をこなしながら、その人にしか出来ない特技を活かしている。「出来る人がやればいいの。年齢なんて関係ない。」と青森氏は言う。月毎に売上から諸経費を差し引き、各々働いた時間数で残金が均等に分配されるため、スタッフは、高齢になっても体調や都合に応じて無理なく自分のペースで働くことができる。青森氏は、同店を「働くデイサービス」と位置付け、「働く主婦や高齢者たちが仕事を通じて新たな生きがいを見出せる場にしたい。」と考える。
平成26年8月からは、同店で、高齢者たちが持っている特技を教える教室を週2日開催している。新たな挑戦に挑む同組合は、今後も同店を訪れる人、働く人、関わる人の心を動かし、勇気と元気を与えていくだろう。
ここが、ポイント!
- 現状
- 地元の主婦らが共同で出資・経営し、まちづくりの拠点としてお店を運営。住民の生きがいとなっている。
- 現状の課題
- 地域内の結束を更に深め、まちづくりに取り組む体制の強化。
- 未来
- 高齢者自らが地域のため、自身のために活動し、元気を生み出す。高齢者が意欲的に健康であり続ける町に!
- コミュニティビジネス事例集2014 地域で頑張る人達を応援します
- <地域資源活用関連>強い団結力で立ち上がり、地元食材を活用して新たにビジネスを開始!地域全体に利益が還元される好循環を創出 NPO法人夢未来くんま
- <まちづくり関連>「誰もやらないのであれば、俺がやる!」かつての町を再び目指すのではなく、新たなる持続可能なまちづくりを目指すNPO法人atamista(アタミスタ)
- コミュニティビジネスの推進
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